平成18年10月 第2251号(10月25日)
■伊吹文科大臣など表敬訪問 私学振興への理解と支援要請
去る十月十九日、全私学連合(安西祐一郎代表)の代表者らは、文部科学省に伊吹文明文科大臣をはじめ遠藤利明文科副大臣、小渕優子・水落敏栄両文科大臣政務官を表敬訪問し、就任のお祝いを述べた上で私学に関わる諸問題に対する理解を訴えた。
伊吹文科大臣は、法人化した国立大に対して、「法人化せずに税金で運営しているといった規範意識をしっかりもって(国策に沿った)研究や人材育成を行えばよかったのでは」との思いを語った上で、「私学も国民の血税を使っている以上、国民へのメッセージを出すことが大事ではないか」などと感想を述べた。
これに対し、私学側からは、「国立大が法人化されて学校法人との垣根がますます低くなり、その区別が判然としないまま両者が諸施策に取り組んでいる。たとえば、競争的なプロジェクトにしても、両者の基盤に大きな違いのあるまま進められるなど、私学の状況を一層悪くしている」と訴えた。
次に伊吹大臣は、十九日の前日に開かれた教育再生会議について、「小学校段階からの人格形成や規範意識の涵養が、大学生になった時に効いてくる。近年は、幼稚園や保育園にも目が向けられている」などと会議での話題に触れた。
また、教育や福祉については、競争原理や市場原理による損益計算では割り切れないとの認識を語った。
さらに、同席した私学事業団の鳥居泰彦理事長(中央教育審議会会長)に、教育再生会議の議論と中教審の議論の在り方について、話し合いたいなどと水を向けた。
その他、遠藤副大臣、小淵・水落両大臣政務官にも、私学に通う親の教育費負担の軽減を訴えるなど、理解と支援を求めた。
なお、私学側からは安西代表、鳥居理事長のほか、廣川利男私大協会副会長・恷шw研修福祉会理事長、田村哲夫中高連会長、清水博雅全日私幼連副会長の五氏が訪問した。