平成21年2月 第2349号(2月18日)
■サービスに科学手法を 科学・学術政策局が報告書
文部科学省の科学技術・学術政策局は、このたび、「サービス科学・工学の推進に関する検討会」において、科学的・工学的な知見に立ったサービスを提供する方法論の構築等について検討し、その結果を報告書「サービスに新たな可能性を求めて―サービスイノベーションのための提言」としてとりまとめた。
まず、サービスの概念を、「人と人・モノが関わる場面において、受け手にとって価値を生み出す機能やそれを体現する行為や過程、もたらされる効果」と定義。サービスの科学・工学とは、「サービスに科学的・工学的手法を導入して、新規サービスの創出や既存サービスの高度化・効率化・広範囲化を図るための方法論を構築し、活用すること」とした。報告では受け手の満足を高めるため、新規サービス創出、既存サービスの生産性向上などを図らなければならないとしている。
サービス科学・工学の推進に向けて取り組むべき具体的施策として、▽ワークシップ・シンポジウム等によるサービス科学・工学に関する共通認識の醸成、サービス科学・工学の具体的な研究課題の抽出、▽サービス科学・工学の実践に向けた人的ネットワークの形成、▽実践に当たって留意すべき事項の抽出と対応策の検討、▽情報発信等を挙げてる。
また、関係者が協働し、経済的・社会的価値の高いサービスを効果的・効率的に創出し、同時に科学的な価値を創出するような研究を推進していくシステムを構築する。