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平成21年2月 第2349号(2月18日)

求める資質「理論的思考」など 民間企業の研究活動調査まとめる

 一、研究開発費
 平成二十年度の民間企業の社内・外部支出研究開発費は増加の見込み。しかし、DI値(Diffusion Index:「増加の見込み」の回答割合から「減少の見込み」及び「平成十九年度は支出しているが平成二十年度は支出しない見込み」の割合を差し引いた値)だと前年度比減である。 
 平成二十年度の性格別社内研究開発費は、「増加の見込み」と回答した企業は、「開発研究」、「応用研究」、「基礎研究」の順となっている。
 二、研究開発者等の人材
 平成二十年度の民間企業の研究開発者数も増加の見込み。しかし、DI値で見ると前年度比減である。研究開発者数の増加見込みを経歴別で見ると「修士号取得者」において顕著である。
 研究開発者に求める資質・能力で「重視する」項目は、経歴によらず「論理的思考力」、「課題設定能力・解決能力」が挙がっている。研究開発者の採用後の印象は、いずれの経歴においても「ほぼ期待通り」と回答する企業が最も多い。
 三、研究開発活動の国際化
 国内拠点の研究開発能力、国内企業の製品化能力を海外と比較すると、対米国及び対EU―15の諸国では国内とほぼ同等、対EU―15以外の欧州各国及び対アジア諸国では、国内の方が優位であると回答している企業が多い。
 過去五年間に外部他機関と「研究協力を行った」企業は、全体では有効回答企業の八割以上。資本金規摸別に見ると、資本金規模が大きい企業ほど高い。国内外の研究協力の相手先としては、海外の機関と比べ国内の機関を挙げる企業が多く、「国内の大学」、「国内の企業等」、「国内の公的機関」の順となった。
 海外に研究開発拠点を「有している」または「有していないが、今後新設の意向がある」と回答した企業は、有効回答企業の二割強。業態別に見ると、非製造業と比べ製造業が高い。資本金規摸別に見ると、資本金規模が大きい企業ほど高い。研究開発拠点の設置地域は、米国に次いで中国、EU―15の諸国となっている。
 理由としては、「外国人ユーザーの趣向・自社海外拠点・海外の関係企業のニーズに対応した製品の研究開発活動を容易に行うことができる」が多かった。

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