平成21年2月 第2349号(2月18日)
■科学研究費補助金 機関別採択件数・配分額一覧(平成21年1月27日公表)
科研費は総額1558億円(直接) 採択率は前年度1.6%減
科学研究費補助金
人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究(研究者の自由な発想に基づく研究)」を対象とする「競争的資金」であり、科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会及び(独)日本学術振興会科学研究費委員会の審査を経て、その配分を決定する。
平成二十年度の科学研究費補助金は、応募のあった約一三万七〇〇〇件の研究課題のうち、ピア・レビューによる厳正な審査を経て、約五万七〇〇〇件を採択し、総額約一五五八億円(直接経費)を交付する。このうち、新規採択分については、約一〇万四〇〇〇件の応募に対し、約二万四〇〇〇件を採択し、総額約六三九億円(直接経費)の交付となっている。
新規応募件数は、前年度より四八一七件(四・八%)増、採択件数は五四八件(二・三%)減であった。また、採択率は前年度より一・六%減の二二・七%となった。このたびの発表は、昨年四月二十五日に発表した公表資料に、新たに交付内定を通知した▽「特別推進研究(新規)」―採択八六件、配分額七〇億三一二〇万円、▽「新学術領域研究」(研究領域提案型)―採択一九八件、配分額三〇億五一三〇万円、(研究課題提案型)―採択八一件、配分額六億五六九〇万円、▽「基盤研究(S)(新規)」―採択三六三件、配分額七三億五一四〇万円、▽「若手研究(S)(新規)」―採択七四件、配分額一四億一二一〇万円、▽「若手研究(スタートアップ)(新規)」―採択一七六一件、配分額二一億一八四七万円、▽「特別研究促進費(年複数回応募の試行)」―採択六九件、配分額九〇〇〇万円、▽「特別研究員奨励費」―採択六二五四件、配分額四九億三二二九万五〇〇〇円、の内定分を加えたもの。
平成二十年度科学研究費補助金の応募合計は一三万七二〇九件、うち採択件数は五万六五八二件、採択率は四一・二%。配分額は一五五七億六五九三万九〇〇〇円(うち、間接経費が三四八億七七六四万七〇〇〇円)。一課題あたりの配分額は平均二七五万三〇〇〇円。最高額で三億六一〇万円となった。
表は私立大学の機関別採択件数・配分額(新規採択+継続分)で、配分額合計の多い順に並べたもの。私立大学の応募件数は三万三一一四件で全体の二六・二%にあたる。うち、採択件数は一万一二三二件で、採択率は三三・九%。配分額の私立大学合計は二一三億九九四九万二〇〇〇円。うち、間接経費は五五億九七九九万七〇〇〇円で、配分額合計は二六九億九七四八万九〇〇〇円で、国公私立の配分合計額の一四・七%となる。
一方、国公私立を含めた採択件数(新規採択+継続分)の上位校は、@東京大学(採択二八九六件、配分額二一三億二四四八万三〇〇〇円)、A京都大学(採択二三〇四件、配分額一四四億二五八万二〇〇〇円)、B東北大学(採択一九五二件、一一〇億七四四六万円)、C大阪大学(採択一九四一件、配分額一〇三億五八五五万三〇〇〇円)、D九州大学(採択一三九六件、配分額五七億二八一七万三〇〇〇円)。上位五大学が全体に占める割合は、採択件数で一八・五%、配分額で四〇・三%にものぼる。
国公私立を含めた場合、採択件数・配分額で見ると、私立大学では慶應義塾大学が一二位(採択数・配分額とも)、早稲田大学が一六位(採択数・配分額とも)、日本大学が採択数二一位、配分額二二位となる。
研究分野別の採択件数で見ると、@生物系二万一六八一件(四四・一%)、A理工系一万六三三九件(三三・二%)、B人文・社会系一万七一件(二〇・五%)、その他一〇八四件(二・二%)となっている。
また、配分額(直接経費)の比率を見ると、@生物系四五・五%、A理工系四〇・九%、B人文・社会系二・九%などとなっている。
科学研究費補助金 機関別採択件数・配分額一覧[PDF](平成21年1月27日公表)