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教育学術オンライン

平成26年1月 第2550号(1月22日)

大学経営から見た  通信教育課程 B
  通信教育課程の取組み
 

明星大学副学長  大橋有弘

1.開講の経緯・戦略
 明星大学通信教育部は、昭和42年4月、教育の機会均等と大学教育の門戸開放の理念を高く揚げた明星大学の教育理念の一端として創設された。
 その出発点において、産業・文化・政治・経済の進展に寄与する人間形成と資質優秀な初等教育・幼児教育に携わる人材の養成を目的とし、小学校教諭1級免許状、幼稚園1級免許状を取得するための正規の課程として、昭和42年3月25日に文部大臣より設置が認可された。教職課程は同年3月27日に課程認可がされた。
 翌年、初等教育における現職教育の重要性に鑑み、教育職員免許法上の小学校・幼稚園関係科目を履修できる聴講生の課程が昭和43年3月15日に認可された。昭和59年には、学校図書館司書教諭並びに社会教育主事コースを開設。翌年、図書館司書コースを開設した。昭和63年から、教育学専修コースの中に教育学Bコース(心理学)を設け、入学の目的に合わせて効果的かつ効率的に学べる六つのコース(1.教育学専修コースA、2.教育学専修コースB、3.小学校教員コース、4.幼稚園教員コース、5.社会教育主事コース、6.図書館司書コース)を開設し、任意に選択できるようになった。平成6年度より、「認定心理士」の資格認定を受けることができるようにした。改正教育基本法の制定以降、初等教育と中等教育の連続性が重要視されてきている今日、その目的達成のために、教員養成を初等教育教員のみならず、中等教育教員まで拡大することにし、平成22年4月に、開設以来人文学部心理・教育学科に併設されていた通信教育部は、通学課程の改組とともに、教育学部教育学科となった。
2.運営組織体(通学と通信課程の関係等)
 教育学部教育学科は次の11コース(1.小学校教員コース、2.教科専門(国語)コース、3.教科専門(社会)コース、4.教科専門(数学)コース、5.教科専門(理科)コース、6.教科専門(音楽)コース、7.教科専門(美術)コース、8.教科専門(英語)コース、9.特別支援教員コース、10.子ども臨床コース、11.教育学コース)で構成され、専門性を高め、様々なニーズに応える教育実践の場で活躍できる人材の育成を行っている。なお、教科専門(理科)コースは全国の通信教育課程において唯一の理科教員養成コースである。
 すべてのコースにおいて、大学卒業資格[学士(教育学)の学位]が取得できる。履修を容易にし、しかも通学課程と同じ水準、内容の教育が保証されるように、各期のスクーリングは本学の専任教員が兼任している。
3.学生募集の工夫
 最近はWebでの広報を中心に展開している。更に、近年のスマートフォン普及率を鑑み、PC版のみならずスマートフォン版の広告展開も行っている。
 またTwitterやLINEを用いて入学説明会情報を発信し、より効果的に入学者獲得に繋がるように努めている。特に入学者獲得をしたい地域に的を絞って、本学の認知度アップを狙った交通広告や新聞折込などの広告展開も行っている。
 入学説明会への参加ができない入学希望者に対し、入学説明会の映像をWeb配信していく構想も進めている。
4.ドロップアウトしない工夫等
 学生支援としては正科生1年次入学・2年次編入学の学生を対象とした学習アドバイザー制度を実施している。これは正科生1年次入学・2年次編入学の学生に特化した学習相談を実施し、合わせて懇親会を含めた友達作りの場を提供するものである。学生を1グループ数十名に分け、各グループに職員を3〜4名配置し相談窓口役となり、直接、質問や相談対応にあたっている。学習サポートの一環としてグループへ定期的にメールを配信して、事務手続き等を忘れないように注意喚起を行っている。
 また全学生に対しては、履修登録時にもきめ細やかな審査をし、学生に直接電話連絡を行い、履修登録の間違い等を防いでいる。
 学習相談会を年に4〜6回実施し、学習計画の立て方や学習の進め方などの相談にのっている。この学習相談会には本学通信教育課程経験者を招き、学習経験に基づいたアドバイスの時間も設けている。同日にレポート作成ガイダンスも実施し、教員からレポート作成時の注意事項やアドバイスを受け、作成のコツを知ることができる。
 夏期スクーリング開講前には、スクーリングガイダンスがあり、学習が円滑に進むような取組みも行っている。
 各自の学習状況確認については、Webから成績状況の確認及びレポート添削進捗状況の確認、履修登録科目の確認、スクーリングの申込み、科目終了試験の申込みなども行えるようにしている。
 本年度からはYouTubeを活用し、いつでもどこでもガイダンスなどの様子が見られるようにして、今まで以上に学習に取り組みやすい環境を構築している。
5.今後の課題
 一、インターネット・スクーリング(同時配信授業)を導入することにより、スクーリング受講機会の拡大を図る。
 二、レポート提出は現在、紙媒体で行っているが、この提出方法をWeb化することにより、学習の利便性の拡大を図る。
 三、現在のテキストを電子書籍化し、あらゆるデバイスに対応させ閲覧を可能にすることにより、多様な環境下におけるテキスト学習を可能とする。これにより、本学の学習環境における付加価値の拡大を図る。
 四、教育業務提携校の拡大を図る。他大学において教職課程を履修する在学生に、更なる教職課程の付加価値を付けるための大学間の連携を推進する。
 五、現在、学習相談などの問合せは電話と書面のみであるが、24時間問合せができるようにWebでの対応について検討を進めている。


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