平成25年3月 第2517号(3月20日)
■大学は積極的に復興支援
大震災から2年 被災地で様ざまな活動
東日本大震災から2年経った現在も、各大学は被災地の復興支援に積極的に取り組んでいる。活動内容は被災地に赴いてのがれき撤去、募金や物品の寄贈、被災地の情報発信、心のケアなどを目的としたイベントの開催などさまざま。当協会の加盟大学の復興支援をみていきたい。
奥羽大学(天野義和学長、福島県郡山市)の近隣にはいまだ多くの仮設住宅があり、東日本大震災の避難者が生活している。救急救命に関するボランティア活動などを行うライフサポート部は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員らとともに仮設住宅を訪問。宇宙服の試着や液体窒素による実験などで被災した人々を楽しませた。
東日本国際大学(田久昌次郎学長、福島県いわき市)は、いわき地域復興のための国内外向け情報発信サイトを公開。同大が取り組む「被災地の情報発信による観光まちづくり事業」で、国際的な情報発信の窓口とすることを目的に開設。留学生や教員を中心とした多国籍チームが多国語で福島・いわき地域の情報を発信することで、観光事業の回復を図る。
大妻女子大学(荻上紘一学長、東京都千代田区)は、裁縫・手芸の塾をルーツに持つ大学ならではの支援活動を展開。被服学科はスクールバッグやひな人形、Tシャツなどの制作・寄贈、児童学科の卒業生らは親子を対象とした仙台でのパネルシアター公演の開催、社会情報学部は津波の被災地で発見された写真の復元作業への協力などに取り組んでいる。
東京薬科大学(笹津備規学長、東京都八王子市)の学生ボランティア団体「IVOLEA(アイボリー)」は2012年3月、被災地への長期的な支援活動を目的として設立。岩手県で、がれきの撤去や用水路の整備などを行っている。岩手県大槌町の仮設住宅訪問では、薬学部・生命科学部の学生であることを生かした復興支援。被災した人々と学生が一緒に作業することを通じて会話を楽しむことで、心のケアを行っている。
東京理科大学(藤嶋昭学長、東京都新宿区)は2012年7〜9月の3か月間、「被災地支援プロジェクト」として、宮城県南三陸町の復興商店街にドライミスト装置を設置した。太陽電池と低エネルギーで利用可能なドライミスト装置を夏季の省熱環境改善対策として設置し、町の電力供給に負担を掛けることなく復興支援に参加した。