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平成22年3月 第2395号(3月24日)

現場はどう変わった?
 大学評価学会の大会

 大学評価学会(代表理事=池内 了総合研究大学院大学教授)は3月13日と14日の両日、東京国際大学早稲田キャンパスを会場に第7回全国大会を開催した。
 認証評価制度の義務化から六年。教育・研究や大学運営の現場で何が起きているのか、具体的な検証を行う時期である。同学会では「大学評価」を相対化して学問的に検討し、多元的で多様な視点から大学を評価することを目指してきた。大会では「評価制度で現場はどう変わってきたか」をテーマに、大学評価の具体的なあり方などをめぐる議論が交わされた。
 一日目は、二つのセッションとパネリストに横浜市立大学の永岑三千輝氏、岡山大学の橋本 勝氏、立命館大学の平井孝治氏の三氏を迎えシンポジウムが行われた。
 セッションの中で、龍谷大学の重本直利氏は数値化による客観性の担保などに疑問を投げかけ、「評価の客観性は構成員の相互了解の歴史的蓄積過程によって担保される」と述べた。
 また、シンポジウムではフロアを交えた意見交換が行われ、「個別評価は組織の枠組み中で捉えないと成果主義になってしまう」、「主体的に大学を変えるために、多重の評価を使いこなすことは結論ではなく出発点」、また「各評価機関の評価結果に対するメタ評価を通じて評価の改善をするという枠組みが機能していない」といった意見が出された。
 二日目は、次の四つの分科会のほか、総括討論会が行われた。
 ▽職員と教員の協働とその評価の方法―「事務職員」を超えて、▽大学評価が研究に及ぼしてきた影響と研究評価の方向、▽教育評価の原理を明確にする―原理なき評価の混迷、▽「国立大学法人評価」は国立大学に何をもたらしているか


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