平成21年3月 第2353号(3月25日)
■CO2排出量 07年度は対前年度比1.4%削減 空調・照明で取組広がる
全私学連合(安西祐一郎代表)傘下の私立学校における「二〇〇七年度二酸化炭素排出量(以下、排出量)」は、三二四・六万t―CO2と算出され、削減率は対前年度比で一・四%となった。これにより全私学連合は、環境自主行動計画の目標である「対前年度比一%削減」を大幅に達成した。
全私学連合では、昨秋、二〇〇七年度の排出量等の調査を行い、文部科学大臣所轄学校法人六七二法人に取組調査票を送り、五八五法人が回答した。
排出量の算出法は、まず、@もともと報告義務のある省エネルギー法対象法人(定期報告調査)と、A省エネルギー法非対象法人(学校別調査)に分けられる。次に、調査票により得られた排出量は、有効回答数八七・一%の法人の排出量にしか相当しないため、全私学連合全体の排出量を算出する必要がある。そこで、学校種毎の「延床面積」と「排出量」の比を用いて、「全私学連合傘下の全ての私立学校の排出量の推計値」が算出された。
その結果、二〇〇七年度の排出量は三二四・六万t―CO2と算出された。二〇〇六年度の排出量三二九・二万t―CO2より四・六万t―CO2が削減され、削減率は一・四%となった。全私学連合が策定した環境自主行動計画では、二〇〇六年度は対象外ではあるが、「対前年度比一%の削減」を大幅に上回った。各大学の日常的な努力はもちろん、日本私立大学協会等でも研修会を行い、周知をしてきた結果と言える。
全私学連合では、この結果を受け、昨年度調査をもとに二〇〇六年度の排出量三二九・二万t―CO2を二〇〇七年の排出量と仮定して政府に公表している排出削減見込量に替えて、このたび算出した削減見込量三二四・六万t―CO2を、計画期間における今後の新たな基準値とすることとした。
この結果を受けて、全私学連合の小出秀文事務局長は、「各大学においては、今後とも、削減に向けたますますの努力を期待すると共に、大学の本分たる教育面においても、学生の環境マインドの醸成を行なって頂きたい」と述べた。
なお、取組調査票では、具体的な取り組み内容も集計した。それによると、多かった取り組み(項目:取組済み・取組中)は、@空調のフィルターの定期清掃(九六・〇%)、A消灯励行・啓蒙(九三・三%)、B給排水、空調機器等の効率稼動のための保守点検の実施(八八・二%)、C温度適性管理の啓蒙表示、周知徹底(八七・七%)、Dコピー・印刷用紙の削減(七八・六%)、Eクールビズ・ウォームビズの導入(七八・四%)、F空調機の運転時間の最適化(短縮および停止)(七七・四%)、Gカーテンなどによる室内熱効率維持(七四・九%)、H電灯の間引き点灯(七〇・九%)、I照明における人感センサー設置(六七・〇%)、J照明のタイマー運転(六六・八%)、K中央監視による空調制御実施(六六・三%)、L節水器具の設置(六六・〇%)、M省エネ電灯・照明器具、効率性の高い投光器の導入(六五・四%)などとなった。