平成21年3月 第2352号(3月11日)
■能動学習促すソフト開発 無償公開 東大が2シンポ開く
大学教育改革フォーラムin東海2009実行委員会とFD・SDコンソーシアム名古屋は、去る三月七日、名古屋大学において、第四回目となる「大学教育改革フォーラムin東海2009」を開催した。
東京大学大学総合教育研究センターとマイクロソフト株式会社は去る三月四日、東京・本郷の東京大学において、「変貌する大学教育の現場アクティブラーニングの未来」を共催し、その中で共同開発をしてきたアクティブラーニング型授業を実現する「ビデオ・エクスプローラー」、「ボーダレス・キャンバス」等学習支援ソフトを披露した。これらは、ウェブサイト(www.utmeet.jp)において無償公開されている。
まず、「ビデオ・エクスプローラー」は、映像資料にアクセスして視聴し、相互関連性をマルチメディアマップに表すことで、視聴した複数の映像リソースの関係性や差異を整理し、学生が自分の問題を焦点化できるもの。
「eジャーナル・プラス」は、批判的読解を高めるため、電子的文書に対する下線引き・コメント機能や、文章から直感的に文章構造を整理するコンセプトマップ機能、まとめレポートの作成支援機能、学生が電子上でコメントし合う機能を実装している。
「ボーダレス・キャンバス」は、「聴衆が『議論する』プレゼンテーション」を実現すべく、スライドに聴衆がリアルに書き込みを行なったり、発表が終わった資料と発表中のスライドを俯瞰することができる。発想支援、ブレインストーミングでも利用できる。
タブレットPC用のソフトだが普通のPCでも操作が可能。
同イベントでは、研究成果の発表のほか、今泉柔剛文部科学省大学改革推進室長、大島 純静岡大学教授の基調講演やパネルディスカッションが行われた。今後必要となる能力や、その獲得方法などが論じられ、変化の激しい時代に、絶えず自己分析(リフレクション)ができる人材が求められる等の主張がされた。
東京大学では、去る二月二十日に、東京・駒場のキャンパスにおいて、現代GPシンポジウム「アクティブラーニングのための学習空間を創る」を開催した。
主体的な学びを促す学習環境(教室)について、建築家の工藤和美氏が学校建築、コンサルタントの岸本章弘氏が世界各国の企業オフィスの事例を交えて紹介した。同大学でも、「教室に教員が合わせて授業を行うのではなく、教員の行ないたいことに合わせて教室が変化する」ことをコンセプトに、駒場アクティブラーニングスタジオ、情報学環・福武ホールを建設したこと等を紹介した。