平成21年2月 第2350号(2月25日)
■教員養成の課題など協議 質的向上に関する協力者会議
教員養成課程の質的な向上に関する協力者会議(横須賀 薫座長)は、去る二月二十三日、文科省内の会議室で第三回会合を開き、教員養成課程に関わる協議のほか、教員免許更新制の現状等について報告があった。
はじめに、昨年秋に開かれた第二回会合で提起された教員養成課程に関わる主な論点について事務方より次の五つの報告があった。
@教員養成課程の各科目の体系化=各科目の有機的なつながりについて、特に教員養成課程の体系化の中で、教職実践演習はどのような役割を担うべきか。また、教職課程の各科目で学ばなければならない内容を整理する必要がある。
A教員養成系大学・学部と一般大学における教職課程の在り方=教員養成系大学・学部のみを念頭に置いた議論だけでは不十分である。一般大学の教職課程において足りないものや必要なことは何か。
B教科教育法については、統一された方法論等が必要ではないか。
C教科専門の質の向上=教員養成系学部の教科専門の教員の意義・役割は何か。また、他学部の教員となるためのキャリアパスの一部になっている教科専門担当教員のキャリアパスの在り方をどう考えるか。
D免許状更新講習の内容について=教員はどのような内容、授業方法等を求めているのか。
横須賀座長は、「従来には無かった教職実践演習、教職大学院、免許状更新制など大きな課題が関わっており、これらの論点も踏まえた上で、今後、議論を重ねていきたい」と述べた。
次に、岡信也委員(島根大学教育学部長)及び由布佐和子委員(早稲田大学大学教職研究科教授)から提出された資料説明が行われた。
岡委員からは「教師力」育成プログラムの開発と養成教育実践」と題して島根大教育学部の教育課程改善の試みと成果について説明があった。同大と鳥取大は、平成十五年に両大学間で「教員養成系学部再編に関する協定」を結び、今日まで継続して“一〇〇〇時間体験学修”や“面接道場”を行うなど、優れた資質、教育的実践力のある教員の養成に努めている。これまで、GP等にも採択されており、平成二十年には、「“環境寺子屋”による理科好き教師の育成」で教育GPにも採択されている。
由布委員からは、「教師の成長と教員養成の課題」として、教職現場から見た教師教育の課題、「課題解決型」授業の設置など、多くの課題が提出された。
これらの説明を受けて委員からは「教員養成大学と一般大学による、いわば目的要請と開放性の教職課程の在り方を、もう少し議論すべきでは」「子どもの意欲を高めるにはホンモノに触れさせることが必要であり、あまり“〜型の授業”などと枠にはめて考えなくてよいのでは」といった意見が出された。
そのほか、免許更新講習の認定状況(二月二十日現在)の報告があった。
▽認定状況…設置大学等二〇八大学、そのうち必修領域一四四大学等(五六三講習)、選択領域二〇二大学等(四六八八講習)。
▽講習開設の見込み(平成二十年十二月の文科省調査)…必修領域二五〇大学等、選択領域三六〇大学等。