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平成20年11月 第2340号(11月26日)

暴力行為は過去最高 児童生徒の問題行動「いじめ」もなくならず

 文部科学省ではこのほど、平成十九年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果をまとめた。
 今回の調査結果の主な特徴は次の通り。
 一、暴力行為の発生件数は約五万三〇〇〇件と、小・中・高等学校のすべての学校種で過去最高の件数に上った。
 「対教師暴力」は六九五九件で前年度より五六五件増加した。「生徒間暴力」は二万八三九六件(前年度より五一三二件増)。「対人暴力」は一六八三件(前年度より一九件増)だった。「器物損壊」は一万五七一八件で、前年度より二四一九件増加した。
 二、いじめの認知件数は約一〇万一〇〇〇件と、前年度(約一二万五〇〇〇件)より約二万四〇〇〇件減少しているが、依然として相当数に上ることが明らかになった。 いじめの認知件数は、小学校四万八八九六件(前年度より一万二〇〇一件減)、中学校四万三五〇五件(七八〇五件減)、高等学校八三八五件(前年度より三九二二件減)、特別支援学校三四一件(前年度より四三件減)となった。合計は一〇万一一二七件で、前年度より二万三七七一件減少した。
 三、高等学校における不登校者数は約五万三〇〇〇人(前年度約五万八〇〇〇人)だった。中途退学者数は約七万三〇〇〇人(前年度約七万七〇〇〇人)と、近年、減少傾向にあるが、なお相当数に上ることがわかった。
 不登校となったきっかけは「その他本人に関わる問題」が三五・一%(前年度より〇・五%増)で最も多かった。
 不登校状態が継続している理由については「無気力」が二七・三%(前年度より〇・八%増)で最も多かった。
 四、自殺した児童生徒が置かれていた状況として、「いじめの問題」があったケースが五人(前年度六人)明らかになった。
 また、自殺した児童生徒数は、小学校三人(前年度より一人増)、中学校三四人(前年度より七人減)、高等学校一二一人(前年度より七人減)だった。合計は一五八人で、前年度より一三人減となった。

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