平成20年10月 第2335号(10月15日)
■私立の下宿生は214万円 受験から入学までの費用
このたび、全国大学生活協同組合連合会(庄司興吉会長理事)は、「二〇〇八年度保護者に聞く新入生調査」をまとめた。同調査は、国公私立大学および短期大学に入学した新入生の保護者を対象に、今年四〜五月にかけて行われたもの。今春入学した新入生二万四七〇八人(うち費用に関する調査の回答は一万二五八九人)の保護者から回答を得た。私立下宿生が受験から入学までに要した費用は平均約二一四万円になることなどが分かった。
私大・私短大生が受験から入学までにかかった費用は、自宅生が平均約一三〇万円(国公大生:一〇九万円)、下宿生が約二一四万円(同:一九〇万円)であった。(表)
私大の下宿生を専攻別にみると文系は二〇二万円(国公大生:一九〇万円)、理系は二三八万円(同:一八七万円)、医歯薬系は三一八万円(同:二〇九万円)であった。
私立下宿生の支出の主な内訳は、▽入学金・授業料・施設拡充費などの納付金:九六万円、▽家電用品・家具などの生活用品購入費:三〇万円、▽住まい探しの費用:二七万円、▽教科書・教材購入費:二〇万円、▽受験料などの出願をするためにかかった費用:一五万円など。
「住まい探し費用」は、神戸、京都、大阪、東京が高く、中でも京阪神地域は、礼金・入館金・敷金の高さが目立つ。
また、「教科書・教材購入費用」の差は、パソコンの購入の有無により、自宅生のパソコン購入率が四九・七%であるのに対し、下宿生は八四・四%となっている。
一般入試の「出願をするためにかかった費用」は、昨年度より一万七二〇〇円増加し、一五万九八〇〇円となっている。内訳は「受験料」が一万五八〇〇円増、「願書取り寄せ、証明書、郵送料」一一〇〇円増。なお、受験学部数の平均は三・六学部で昨年度と変わりないことから、同連合会は、同じ学部を何度でも受験できることが、受験料の増加につながっていると分析している。
これら実際にかかった費用について、「予算より出費が多かった」と感じた人は自宅生三二・四%に対し、下宿生では五三・一%と半数以上の人が予算より多くかかったと感じている。さらに推薦入試(三五・四%)より一般入試(四七・二%)、国立(四一・五%)、より私立(四八・〇%)で比率は高い。理由として「予想以上に必要なものがあった」が最も多い。
受験から入学までの間で保護者が困ったことや、悩んだことについて(複数回答)は「子どもの体調や精神面のこと」四八・九%、「受験大学の選び方」四一・二%、「受験・入学のための費用準備」三一・四%の順に高い。
大学生活での心配が「特にない」と答えた人は自宅生一六・七%に対し、下宿生四・三%と住まいの形態による差が見られ、内容についても自宅生は「就職や将来のこと」四〇・七%、「友達付き合いや人間関係のこと」三五・九%の順、下宿生は「事故や病気、けがなど健康面のこと」五九・六%、「食事や日常生活全般のこと」五七・四%の順となっている。