平成20年10月 第2335号(10月15日)
■「FDの研究協議会」を討議 教育学術充実研究委員会
日本私立大学協会の教育学術充実研究委員会(担当理事=中原 爽日本歯科大学理事、福井直敬武蔵野音楽大学理事長・学長)は、去る九月二十九日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で平成二十年度第三回会合を開き、文部科学省高等教育局大学振興課の義本博司課長の「高等教育政策の諸動向〜中長期的な大学教育の在り方を中心に」の解説を聞くとともに、平成二十年度「第二回教育学術充実協議会―FDに関する研究協議会(仮称)」の実施について協議した。
義本課長は「このたびの『中長期的な大学教育の在り方について』の諮問は、平成十七年一月の『我が国の高等教育の将来像』答申の課題の具体化を目指し、制度的枠組みの議論、高等教育への財政投資の枠組みなどを議論していくもの」と述べ、@教育の多様化、Aグローバル化、B少子化といった大学をめぐる環境の変化に対応した大学教育の在り方や全体像について審議していく。
@では、「学位プログラム」を中心とする大学制度、社会的要請の特に強い分野の人材育成、質保証システム、履修支援方策などが含まれる。
Aでは、国際競争力の向上方策、評価への国際的視点の導入と世界的規模での大学に関する評価活動への対応、アジア地域内での学生・教員の流動性などが含まれる。
Bでは、大学全体の健全な発展、機能別分化と大学間ネットワーク構築、人材需要に応じた大学政策などが含まれる。
義本氏の解説の後、質疑応答が行われ、次に小出秀文事務局長から、私立大学を取り巻く諸情勢として、二十一年度私大関係予算・税制改正の動向、質保証への取組などが説明された。
「第二回教育学術充実協議会―FDに関する研究協議会(仮称)」については、去る七月実施の「学士課程教育の構築と教育の質保証」をテーマとした「第一回教育学術充実協議会」の反省を踏まえ、協議の在り方、フロアとの質疑応答などを工夫していくことになった。その上で、実施日、会場のほか、具体的なテーマ設定、講師、講演内容等について協議し、十月上旬頃までに各委員からの意見をもとに原案を作成していくことになった。