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平成20年10月 第2335号(10月15日)

諮問「大学教育の在り方」の審議へ 作業部会 調査・分析の専門的検討
  13のワーキンググループ設置

 「中長期的な大学教育の在り方について」の諮問は教育振興基本計画で示された「高等教育の転換と革新に向け、中長期的な高等教育の在り方を検討し結論を得ることが求められる」に沿ったものであり、大学教育の質を保証し、社会の信頼に応えるため、次の三点から逐次検討することとなった。
 (1)社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及び教育の在り方、(2)グローバル化の進展の中での大学教育の在り方、(3)人口減少期の大学の全体像について、などである。

 大学分科会
 大学分科会(安西祐一郎分科会長)では、九月二十五日開催の第七〇回会合において、このたびの諮問に関わる論点メモを提示するなどして、諮問の三項目について、今後審議を進めていく。
 〈作業部会とWG〉
 当日の大学分科学会では、このたびの諮問に関わる審議内容が広範囲に及び、各種の調査・分析や専門的な検討を行う必要があることから、「大学教育の検討に関する作業部会」(以下、「作業部会」)として、次の二つのワーキンググループ(WG)を設置した。
 @「OECD高等教育における学習成果の評価(AHELO=Assessment of Higher Education Learning Outcomes)に関するWG」、A「専門的人材の養成の在り方に関するWG」
 また、十月三日の第一回「作業部会」では、新たに次の一一のWGも設置している。(表参照)
 B学位プログラム検討WG、C通信制と通学制の大学に関する検討WG、D質保証システム検討WG、E学生支援検討WG、F資料調査整理WG、G大学グローバル化検討WG、H国際的な大学評価活動に関するWG、I高等教育規模分析第一WG、J同第二WG、K全国共同利用検討WG、L地域における人材養成需要検討WG
 なお、この作業部会委員は、(座長)荻上紘一(独)大学評価・学位授与機構教授、(座長代理)郷 通子お茶の水女子大学学長のほか、安西祐一郎慶應義塾長、金子元久東京大学大学院教育学研究科長、黒田壽二金沢工業大学学園長・総長の五名であり、各WGの委員等は作業部会の座長が指名する。さらに、各WGは委員の互選により主査を置く。
 〈AHELO・WG〉
 OECD(経済協力開発機構)は、持続ある経済発展と生活水準の向上にとって“教育が不可欠”であるとの認識の下、一五歳児を対象とした国際学習到達度調査(PISA)を実施し、日本も参加している。OECDでは、高等教育の拡大や国際化の進展に伴い、高等教育の多様な質を評価することも重要になっていることから、高等教育における学習成果の評価に関する国際的な実施の可能性を検討するフィージビリティ・スタディ(試行試験)の実施を各国に提案している。
 今年一月の「OECD非公式教育大臣会合」において渡海紀三朗元文科大臣が我が国の参加を意志表明している。
 去る九月三十日のAHELO・WG(座長=小原芳明玉川大学学長)の第一回会合において、フィージビリティ・スタディの四つの実施分野である@一般的技能、A分野別技能(工学及び経済学)、B付加価値(高等教育機関による付加価値の評価方法に関する検討)、C背景情報(学習成果の評価を間接的に示す指標に関する検討)のうち、Aの分野別技能のうちの「工学」、Cの背景情報(研究や設備、教育環境、国際化志向など)、@の一般的技能(批判的思考力や分析的論理づけ能力、問題解決能力など)、Aの分野別技能のうちの「経済」の順での参加意志を伝えていくことになった。
 OECDでは約四か国から一〇機関程度の参加を予定しており、二〇一〇年までに実施予定としている。
 〈法科大学院特別委員会〉
 法科大学院特別委員会(座長=田中成明関西学院大学大学院司法研究科教授)は、去る九月三十日の第六回会合において、「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について」(中間まとめ)を公表した。取りまとめに至る審議の背景には、定員過不足の状況や修了者の一部に基本的な知識・理解の不十分さや各法科大学院の法律実務基礎教育の内容にバラツキ等が見られることがあった。
 中間まとめでは、入学者の質と多様性の確保(競争性の確保、適性試験の改善など)、修了者の質の保証(共通的な到達目標の設定と達成度評価方法、司法試験との関係など)、教育体制の充実(入学定員の見直しと教育課程の共同実施・統合等の促進など)、質を重視した評価システムの構築(教育水準と教員の質に重点を置いた認証評価、フォローアップ体制の構築など)を踏まえ、今後の改善を推進していくことを提言している。

 初等中等教育分科会
 十月六日開催の同分科会教員養成部会(部会長=梶田叡一兵庫教育大学学長)では、免許更新講習についての現状を審議するとともに、事例発表があった。平成二十一年四月からの教員免許更新制の実施に当たり、平成二十年度に文部科学大臣が指定した講習(以下、「予備講習」)を受講し、履修認定を受けた場合には、更新講習受講が免除される。
 これまで(十月六日現在)における予備講習の指定状況は、必修領域一四一講習、選択領域八九〇講習となっており、今後の予備講習開設指定は、第四回申請が十月十六日まで、第五回申請が十一月頃予定となっている。また、平成二十一年度の免許状更新講習の開設認定は、第一回申請が十月十六日〜十二月一日、第二回申請が平成二十一年一月十六日、第三回申請が同二月十六日などとなっており、認定には一か月ぐらいかかる。

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