平成20年9月 第2331号(9月17日)
■大学教育の分野別質保証委開催 委員長に北原ICU教授
日本学術会議(金澤一郎会長)は、去る九月十二日に「大学教育の分野別質保証の在り方検討委員会(第一回)」を開催した。
今般、分野別質保証の在り方について、中教審大学分科会での「学士課程教育の構築に向けて」答申を待つところとなっている。これまで、学士の共通する学習成果の保証としての「学士力」を提示するとともに、「分野別質保証」の在り方について審議し、各分野の到達目標の設定、コア・カリキュラム等の開発を促進することが提言されている。
日本学術会議では、中教審の依頼を受け、平成二十年六月二十六日から平成二十三年三月三十一日までを同委員会の設置期間と定めて、分野別質保証の審議に移った。平成二十年度においては、学士課程における教養教育・専門教育(専門基礎教育)それぞれの在り方の検討や、学習成果や到達目標、コア・カリキュラム等の持つ意義や留意点の整理等、次年度以降に各分野において質保証に関する審議を行う際の前提となる基本方針について審議。併せて分野別区分の在り方(検討体制の在り方も含む)や、学位に付記する専攻名称の在り方等についても審議を行う。
第一回の今回は、委員長、副委員長、監事の選出からはじまり、同委員長には国際基督教大学教養学部教授の北原和夫氏、副委員長には上智学院理事長の祖敏明氏が選ばれた。北原委員長は「社会が期待する『学士力』について、国民が共有できるグランドデザイン、グローバル・スタンダードの確立を目指し、議論していきたい」と挨拶を述べた。祖副委員長からは、「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」の概要をもとに、まとめに至るまでの経緯を辿りながら説明があった。
審議の中で、「質とは何か、質の定義、質の判定メカニズムが必要」、「達成度をどう測定するか」といった意見も出され、今後は有識者を交えて年内に二回ほど開催する予定。