平成20年7月 第2323号(7月9日)
■都道府県名称の正解率55% 「特定の課題に関する調査」
国立教育政策研究所(近藤信司所長)の教育課程センターは、この度、平成十九年一〜二月に実施した「特定の課題に関する調査」の結果をとりまとめた。
同調査は、平成十六年度から実施されている。児童生徒の学力の総合的な状況を把握するため、従来から実施されている「指定校における調査研究」や「教育課程実施状況調査」の枠組みでは把握が難しい内容について実施されており、@社会科における基礎・基本となる知識・概念、A問題解決的な学習に焦点を当てている。
小学校
〈基礎・基本となる知識・概念〉
四七都道府県の名称と位置の正解率は約五五%。四七都道府県をまとめて覚えたり、白地図を使って学習した児童の正解率が高い傾向。歴史上の人物と業績の正答率は約七〇%。日本国憲法の三原則の正解率は八五%以上。
〈問題解決的な学習〉
資料から、事実に即して問題解決策を考えることはできるが、解決策を自らの知識や経験と結びつけ、具体的な取組やその効果までを取上げて、表現することは不十分。授業で問題解決的な学習を行っている児童の正答率が高い傾向。
中学校
〈基礎・基本となる知識・概念〉
歴史的分野では、歴史上の人物や歴史的事象の正答率は約七〇%。新しい用語の意味を調べたり、年表を利用したり、学習内容を関係図にまとめる学習を行っている生徒は正答率が高い傾向。公民分野では、単語としては知っていても、概念の意味をよく理解したり、説明する力は十分ではない傾向。新聞やニュースをよくみる生徒ほど正答率が高い傾向。
〈問題解決的な学習〉
地理的分野では、地図記号を読み取り、分布図を作ることや、農産物カレンダーなどの複数の資料をもとに比較し、読み取ったことを表現する問題の正答率は低い傾向。