平成20年5月 第2314号 (5月7日)
■3者で包括連携協定へ 美作大・津山高専・津山市
美作大学(富樫 穎学長)、津山高専(稲葉英男校長)、津山市(桑山博之市長)は、去る四月十八日、三者間での包括連携協定を締結した。
この度の包括連携協定は、三者が連携・相互補完することで、各自の魅力を高めるとともに、地域社会の発展のために貢献することが目的である。それぞれの長が代表者会議のメンバーとなり、実際の事業実施に際しては、運営委員会がその任にあたる。また、必要に応じて、専門部会を設ける。
地方の衰退が指摘されて久しく、特に少子高齢化に伴う打撃は高等教育機関・地方自治体の共通課題となっている。とりわけ若者の他都市への流出は、深刻な問題である。そのような環境下において、協働による地域システムを構築し、三者が協力して資源の相互補完を行うことは大きな意味を持つ。例えば、単独では実施できない事業であっても、三者が協力することによって、相乗効果を高めることが可能になる。
すでに三者間の図書館では相互利用(図書の貸借)の協定を締結し、お互いの資源を共有化している。将来的には、一歩進めてそれぞれが購入する図書を棲み分けることにより、財政的な負担の軽減を図ることを検討している。また、生涯学習講座の共同開催や共同広報、地域の課題に即した共同研究等も、近々に実施する方向で進めている。
二者(大学・高専)間では、単位互換制度による教育メニューの充実、FD・SD研修会の共同開催、学園祭の共同開催、教育関係消耗品の共同購入による経費節減等を検討している。高等教育を取り巻く環境が厳しくなっている現在、協力できる点を見出すことが重要となっている。
同大学の担当者は、「相互が協力し、魅力を十二分に引き出すことが必要。特に、地方の大学・自治体は厳しい状況にあるが、互いの資源を効率的に活用することにより、この苦境を乗り越えることができると考えている」と展望を語った。