平成20年5月 第2314号 (5月7日)
■第584回理事会 新体制で私学振興を推進
21年度の予算税制要望の基本方針を了承
常務理事・各種委員会の担当理事決まる
日本私立大学協会(大沼 淳会長)は、去る四月二十五日、東京・市ヶ谷のアルカディア市谷で、第五八四回理事会を開催した。新役員による初めての理事会で、常務理事をはじめ、各種委員会等の担当理事の選任が行われた。また、平成二十一年度の私立大学関係政府予算要求の基本方方針や中央教育審議会の審議動向と重要課題等への対応を協議した。なお、新加入二校が承認され、同協会加盟校は三八一大学となった。
はじめに、大沼会長より「新役員による第一回目の理事会であり、新体制で私学振興を推進したい」と挨拶があり、続いて新しく理事・監事に就任した役員が紹介され、協議に入った。
常務理事の選任については、慣例により、各支部等から候補者が推薦されており、理事会に先立つ会長・副会長会議で審議・調整されたものが提案され、別掲のとおり。二七名が承認された。
次に、顧問の選任についてでは、新たに小原哲郎氏(元副会長)と再任の佐藤登志郎氏(元副会長)が、また、職務上の限定顧問として、井伸夫氏(弁護士)と齋藤力夫氏(公認会計士)をそれぞれ再任することが承認された。
平成二十年度事業計画の実施要領についてでは、小出秀文事務局長より、三月末の総会で承認された事業計画に基づいて実施要領を定め、各委員会等が中心になって進めていく。特に重点目標としている基本問題研究委員会の推進の在り方などについて詳細に述べるとともに、具体的なスケジュールや実施方法等、さらに、別掲の各種委員会等の担当理事が提案され、原案どおり承認された。
今後は、委員会活動をめざして、各委員会委員の委嘱をしていくことになる。
(財)私立大学退職金財団の欠員理事・評議員の補任についてでは、後藤 淳理事(愛知工業大学理事長・総長)の退任に伴う後任として、評議員の高蛹ウ明氏(東北薬科大学理事長・学長)を、また平尾和義評議員(酪農学園大学前理事長)、和田 守評議員(大東文化大学前学長)、樋口和彦評議員(京都文教大学前学長)の退任に伴い、後藤泰之氏(愛知工業大学学長)、細山田明義氏(昭和大学学長)、久米知子氏(甲子園大学理事長)のほか、北海道支部からの一名の評議員を選任することも提案され、承認された。任期は前任者の残任期間で、理事は平成二十一年三月三十一日まで、評議員は平成二十一年十月二十一日まで。
続いて、同協会への二校(浜松学院大学、修文大学)の新加入の協議が行われ、満場一致で承認された。
平成二十一年度私立大学関係政府予算要求の基本方針並びに私学関係税制改善の推進対策等については、私立大学団体連合会での検討案として、@適正な競争環境の実現に向けた私学助成の大幅な拡充、A教育力の強化と質保証の取組みへの支援、B国公私を通じた大学教育改革の支援の充実、C奨学金事業の充実、D大学の国際化と留学生政策の推進などを中心に今後検討していくこと、また、私立大学関係税制改正要望では、学校法人に対する寄附促進のための措置の拡大などを検討していくことが了承された。
協議事項の最後に、中教審の審議動向について、文部科学省高等教育局高等教育企画課の鈴木敏之高等教育政策室長が、(1)学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)、(2)教育振興基本計画について―「教育立国」の実現に向けて―(答申)について詳細に説明した。
(1)「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」についてでは、昨年九月の「審議経過報告」以後の情勢変化を反映したことなどを説明した。今後は、五月七日まで意見募集を行い、各方面からの意見を踏まえ更に審議を深め、夏前を目途に最終答申を目指すことにしている。
(2)教育振興基本計画については、特別部会の答申をもとに、計画案を作り、政府与党との協議等を経て五月には閣議決定する予定であることなどを説明した。「現在、文科省として最後の作業を進めている。後退することがあってはならない、ご支援いただいて前へ進めたい」と強調した。
なお、私大団連としては五月十三日の「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」のヒアリングに対応して意見具申することになっており、また、「教育振興基本計画」の閣議決定に向けた緊急要望等も行った。
協議事項の終了後には、大学設置・学校法人審議会の委員・特別委員の決定などについて報告が行われて終了した。
私大協会381校に
理事会で加入が承認された大学は次のとおり。
▽(学)興誠学園が設置する浜松学院大学(平成十六年四月一日開設)。理事長=片岡哲哉氏、学長・評議員=雨宮正一氏。現代コミュニケーション学部現代コミュニケーション学科=定員一五〇名、子どもコミュニケーション学科=定員五〇名。法人住所=〒430-0907浜松市中区高林一―一七―二、TEL 〇五三−四七三−六一一〇、大学住所=〒432−8012浜松市中区布橋三―二―三、TEL 〇五三―四五〇―七〇〇〇〈五月一日より加入〉
▽(学)一宮女学園が設置する修文大学(平成二十年四月一日開設)。理事長=吉田収蔵氏、学長・評議員=佐々木 直氏。健康栄養学部管理栄養学科=定員八〇名。法人・大学住所=〒491−0938一宮市日光町六、TEL 〇五八六―四五―五五五〇