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平成20年3月 第2307号 (3月5日)

「社会人基礎力」を媒介にした教育の模索について

 (学)安城学園(愛知学泉大学)理事長 寺部 曉

 平成十八年度に学園とココストア(株)が結んだ産学連携協定がきっかけになって、本学では社会人基礎力を媒介にした新しい学習モデルの開発に取り組んでおります。その発端について簡単に報告いたします。
 (1)ココストアとの産学連携について
 学生の就職先としてお付き合いのあったココストアと平成十八年度に産学連携協定を結びました。要するに、学生によるコンビニ弁当の共同開発であります。コンビニの主力商品はどこでも弁当であり、ターゲットは男性であります。ところが、ココストアは若い女性をターゲットに商品開発をしたいと考えていて、家政学部のある本学に目をつけたのであります。ココストアにとっては学生の新鮮なアイデアが得られるのが魅力であったし、本学にとっては学生のために実践的な学びの場が得られることが魅力でした。今回は、学生にとって身近なテーマだったので良かったかもしれません。こんな感じでスタートしましたが、これは単なる体験学習でもインターンシップでもなく、新しいタイプの学習形態だと思いました。何よりも参加している学生の目の輝きを見て、そう思いました。
 (2)社会人基礎力育成事業に参加して
 「社会人基礎力」という言葉は、経産省の「社会人基礎力に関する中間報告」(平成十九年二月)の中で初めて知りました。早かったわけではありません。まず、本学とココストアとの弁当の共同開発を経産省のいうプロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)であると位置づけました。PBLは、(従来であれば、企業の中で対応していた)その企業の抱えている課題の解決を学生の課題としてぶつけてくれる企業を探すところから始まり、学生チームが大学の先生の指導・企業のプロの要求・アドバイスを受けながら自分たちでソリューションを見つけていくという新しいタイプの学習形態であります。そして、経産省の社会人基礎力の育成・評価事業に急遽応募したところ、採択された全国の七つの大学の一つに選ばれました。
 (3)教職員向け社会人基礎力育成プログラムの開発
 社会人基礎力は学生を鍛えるプログラムです。しかし、定義から考えて、この社会人基礎力は既に社会に出ている大人である教職員にも必要なものであります。これからの学園の課題の中の一つに次世代の教職員の育成がありますので、教職員向けの社会人育成プログラムの検討を進めていきたいと考えております。

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