平成18年8月 第2243号(8月23日)
■敬語を使っている73.9% 国語に関する世論調査
文化庁では七月二十六日、平成十七年度「国語に関する世論調査」の結果を発表した。今回は敬語に関する意識を中心として、例年取り上げている慣用句等の言葉の言い方についても調査を実施した。調査対象は全国一六歳以上の男女三六五二人(有効回収率五七・七%)、調査時期は平成十八年二月十四日から三月十四日。結果の概要は次のとおり。
日常生活で相手や状況によってどの程度言葉を使い分けているかでは、いつも使い分けているとある程度使い分けているとを合わせた、使い分けているは八八・二%。
日常生活でどの程度敬語を使っているかでは、いつも使っているとある程度使っているとを合わせた、使っているは七三・九%。
敬語について難しいと感じることがあるかでは、よくあると少しあるとを合わせた、あるでは六七・六%。
敬語を難しいと感じることがあるかについて、よくある、少しあると答えた人に何が難しいかでは、相手や場面に応じた敬語の使い方が七八・四%、手紙などを書くときの敬語の使い方が三八・三%、敬語について理解したり、覚えたりすることが一四・二%だった。
仕事が終わったときに、どのような言葉をかけるかでは、(イ)、一緒に働いた人が、自分より職階が上の人の場合は、お疲れ様(でした)が六九・二%、御苦労様(でした)が一五・一%、ありがとう(ございました)が一一・〇%。(ロ)、一緒に働いた人が自分より職階が下の人の場合は、お疲れ様(でした)が五三・四%、御苦労様(でした)が三六・一%、ありがとう(ございました)が五・〇%だった。
外部の人の前で自分の職場の人を何と呼ぶかでは、(イ)、会社の受付の人の場合、鈴木が四〇・〇%、課長の鈴木が二六・六%、鈴木課長が二五・一%。(ロ)、学校の先生の場合、田中先生が六三・三%、田中教諭が二一・三%、田中が九・三%。(ハ)、病院の医師の場合、木村先生が四六・九%、木村医師が四二・二%、木村が六・二%だった。
敬語を使いたいか、使いたくないかについて、(イ)、社会生活を営む上で、必要だから使いたいが七二・一%、使わざるを得ないので使いたいが二〇・四%。(ロ)、自分自身の個人的な考えとしては、必要だから使いたいが五八・九%、使わざるを得ないので使いたいが二五・五%だった。
敬語を使うときは、年上の人と話すときが八二・七%、目上の人と話すときが七六・四%、知らない人(同年輩又は年齢が上と思われる人)と話すときが六七・二%、尊敬する人と話すときが六四・八%、相手のことを立てたいときが四五・八%だった。
ふだんの言葉遣い(「お」を付けるか付けないか)では、「お」を付けないで言うが「お」を付けて言うよりも多いのは、くつした、ビール、ソース、かばん、紅茶、手紙、薬、天気。「お」を付けて言うが「お」を付けないで言うよりも多いのは、お菓子、お酒、お米、お皿、お弁当。「お」を付けないで言うと「お」を付けて言うとの割合がほぼ同程度なのは、酢とお酢である。
どちらの言い方を使うかでは、(イ)、周囲のみんなに、明るくにこやかな態度を取ることを、あいそ(う)を振りまくが四八・三%、あいきょうを振りまくが四三・九%、(ハ)、激しく怒ることを、怒り心頭に達するが七四・二%、怒り心頭に発するが一四・〇%、(ハ)、我慢できない思いを、肝に据えかねるが一八・二%、腹に据えかねるが七四・四%、(ニ)、はっきりと言わないあいまいな言い方を、口を濁すが二七・六%、言葉を濁すが六六・九%だった(本来の言い方とされるものを線引にした)。
気になる言い方では、(イ)、うそをついてあとで後悔したでは、気になるが四一・二%、気にならないが五四・四%。(ロ)、早起きして行ったのに、順番を一番最後にされたでは、気になるが四四・九%、気にならないが五〇・五%。(ハ)、今年の元旦の夜は、みんなで初もうでに行こうよでは、気になるが五三・二%、気にならないが四〇・八%。(ニ)、その方法は、従来から行われていたやり方だでは、気になるが一九・六%、気にならないが七四・四%。美術館建設の候補地として、この村に白羽の矢が当たったでは、気になるが五八・三%、気にならないが三五・三%だった。