平成19年7月 第2282号(7月25日)
■大学・短大の学生減少「19年版青少年白書」
内閣府はこのほど、平成十九年版の青少年白書を発表した。白書は第一部「青少年の現状」、特集「キャリア教育等の時代へ〜自分でつかもう自分の人生〜」、第二部「青少年に関する国の施策」等で構成されている。ここでは、第一部の概要について掲載する。それによると、平成十八年の大学の学生数は前年度より六〇〇〇人、短期大学の学生数は前年度より一万七〇〇〇人それぞれ減少した。
一、青少年の人口
平成十八年十月一日現在の推計人口によると、日本の総人口は一億二七七七万人で、このうち、青少年(〇〜二九歳)人口は、三九一八万五〇〇〇人で総人口の三〇・七%を占めた。
合計特殊出生率は一・三二となり、六年ぶりに上昇した。
二、青少年の教育
我が国の学校教育人口(幼稚園から大学までの全学校の在学者数)は、平成十八年五月一日現在、二〇一四万七〇〇〇人(男子一〇四六万五〇〇〇人、女子九六八万二〇〇〇人)で、総人口の一五・八%を占めた。
幼稚園の園児数は一七二万七〇〇〇人で、前年度より一万二〇〇〇人減少した。小学校の児童数は七一八万七〇〇〇人で、前年度より一万人減少した。平成十八年度の児童数は、昭和二十三年以来最低となった。中学校の生徒数は三六〇万二〇〇〇人で前年度より二万五〇〇〇人減少した。
高等学校の生徒数は、三四九万五〇〇〇人で前年より一一万一〇〇〇人減少した。大学の学生数は二八五万九〇〇〇人で、前年度より六〇〇〇人減少した。また、短期大学の学生数は二〇万二〇〇〇人で、前年度より一万七〇〇〇人減少した。大学院の学生は、修士課程一六万六〇〇〇人、博士課程七万五〇〇〇人、専門職学位課程二万人だった。
大学・短期大学への進学率は平成十八年度五二・三%となった。男女別では、男子五三・七%、女子五一・〇%で、女子の進学率は平成元年度以降、平成十一年度まで男子を上回っていたが、平成十二年度以降は男子を下回った。
盲・聾・養護学校の幼稚部、小学部、中学部及び高等部の在籍者数は一〇万五〇〇〇人、小・中学校の特殊学級の在籍者数は一〇万五〇〇〇人、通級による指導を受けている児童生徒数は四万一〇〇〇人で、合計すると二五万一〇〇〇人。このうち、義務教育段階の児童生徒数は二〇万人で、これは同じ年齢段階の児童生徒数の一・九%に当たる。
専修学校の生徒数は七五万人で、前年度より三万四〇〇〇人減少した。この七五万人のうち、八八・九%に当たる六六万七〇〇〇人が専門課程に在学している。また、各種学校の生徒数は一五万人で前年度より一万四〇〇〇人減少した。
平成十六年度に国・地方公共団体が学校教育のために支出した教育費の総額(学校教育費)は、一八兆一七五二億円。このうち、小学校の三五・三%(六兆四一五八億円)が最も多く、次いで中学校一九・七%(三兆五七七三億円)、高等学校一九・〇%(三兆四四四五億円)、大学・短大・高等専門学校一八・三%(三兆三二一三億円)、盲・聾・養護学校四・七%(八五〇五億円)、幼稚園二・七%(四九二三億円)であり、専修学校・各種学校は〇・四%(七三五億円)だった。
三、青少年の労働
平成十八年(年平均)の一五〜二九歳の青少年人口は、二二一五万人で、このうち、一三二八万人(六〇・〇%)が労働力人口である。青少年労働力人口を年齢階級別にみると、一五〜一九歳が一〇六万人、二〇〜二四歳が五一八万人、二五〜二九歳が七〇四万人だった。
フリーターの人数は、平成十八年では一八七万人と三年連続で減少した。また、「ニート」に近い概念である若年無業者について、年齢を一五〜三四歳に限定し、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者として集計すると、平成十八年では六二万人で、前年に比べ二万人減少した。
平成十八年(年平均)の一五〜二九歳の青少年就業者数は一二三六万人で、前年と比べ一九万人減少した。就業者総数(六三八二万人)に占める青少年就業者数の割合は、一九・四%だった。
中学校卒業の就職状況は、昭和三十五年には三八・六%だった就職率は、平成十八年は〇・七%、高等学校卒業者の就職率は、平成十八年で一八・〇%だった。
平成十八年三月の大学卒業者のうち、第三次産業の比率が上昇しており、平成八年三月の六八・八%から八・六上昇し七七・四%だった。また、第二次産業の就職者は八・二低下して二〇・七%。第一次産業の就職者は依然少なく、〇・三%にとどまった。
平成十八年(年平均)の一五〜二九歳の青少年の失業者数は九二万人で、年齢階級でみると、一五〜一九歳が一〇万人、二〇〜二四歳が四〇万人、二五〜二九歳が四二万人だった。
青少年失業率は、一五〜一九歳が九・四%、二〇〜二四歳が七・七%、二五〜二九歳が六・〇%で、前年と比べ一五〜一九歳で〇・八、二〇〜二四歳で〇・七、二五〜二九歳で〇・二低下した。
近年で失業率が最も低い平成二年との比較では、高い水準で推移しているが、平成十八年は青少年の各年齢階級すべてで前年に比べ低下した。
平成十八年三月の新規学校卒業者の初任給額を学歴別でみると、男子の大学院修士課程修了者二二万四六〇〇円、大学卒業者一九万九八〇〇円、高等専門学校・短期大学卒業者一七万一二〇〇円、高等学校卒業者一五万七六〇〇円。一方、女子では大学院修士課程修了者二二万六〇〇〇円、大学卒業者一九万八〇〇円、高専・短大卒業者一六万六八〇〇円、高等学校卒業者一四万九四〇〇円だった。