平成19年7月 第2282号(7月25日)
■生涯学習など審議本格化 法改正を踏まえ検討
中央教育審議会の生涯学習分科会では、小委員会を設置し、これまで生涯学習・社会教育の在り方について審議してきた。去る七月十三日には生涯学習法制、二十日には社会教育法についての論点案が整理された。概要は次のとおり。
《生涯学習法制の在り方に関する主な論点(案)》
▽生涯学習の理念、学校教育・社会教育との関係の明確化等、▽国・地方公共団体等の役割等、▽学習成果の評価・活用、▽学習活動を支援する人材。
教育基本法第三条には「生涯学習の理念」が規定されたが、(改正)生涯学習振興法・社会教育法・学校教育法諸法との関係はどのように整理するべきか、学校教育及び社会教育を行うにあたって配慮すべき事項は何か、生涯学習の振興と他の分野との連携をどのように考えるか、国及び地方公共団体が実施すべき施策にはどのようなものが考えられるか、国・都道府県・市町村の役割分担はどのように考えればよいか、現行の生涯学習振興法の都道府県生涯学習審議会の在り方をどう考えるか、地域生涯学習振興基本構想の評価と今後の在り方についてどのように考えるか、個々人の学習成果を評価する検定試験の活用方策としてはどのようなものが考えられるか、国民の学習活動を支援する人材の養成について行政としてどのような措置を講じるべきか、生涯学習推進を専門的に構築する人材の必要性、などが審議された。
《社会教育法の見直しの方向性について(論点案)》
▽社会教育法の目的、▽国及び地方公共団体、▽社会教育主事、▽社会教育委員、▽社会教育施設、▽家庭教育の支援、▽学校・家庭・地域の連携協力、▽奉仕・体験活動の推進。
教育基本法の改正を受け、社会教育法の目的等を規定し直すべきではないか、学校・家庭・地域の連携協力を規定してはどうか、青少年教育振興について規定することを検討してはどうか、社会教育主事制度を見直してはどうか、社会教育主事は学校・家庭・地域社会のコーディネーターという役割を明確にしてはどうか、社会教育主事の職務に企画・立案などを追加してはどうか、社会教育委員の役割をどう考えるか、社会教育委員の会議と生涯学習審議会との関係をどう考えるか、社会教育施設の機能や役割を整理・明確化するなど関係規定を見直してはどうか、親に対する学習機会や情報の提供等の家庭教育支援を規定してはどうか、放課後等における子どもたちの安全で安心な活動拠点づくりに関する規定を設けてはどうか、多様な人材を用いて地域ぐるみで連携協力するための仕組みを設けてはどうか、地域における奉仕・体験活動を一層推進するために指導者養成などの体制整備について規定してはどうか、などが審議された。