平成18年8月 第2242号(8月9日)
■アスペルガー研究所を開設 芦屋大学
知能等で通常以上の能力を持ちながら、対人関係構築に障害を持つアスペルガー症候群。日本には九〇万人の患者がいるとされ、先天的な病で治療は困難だが、この分野の研究はまだ少なく、どのように教育を行い、社会生活を支援するかは不明な点が多かった。
この問題に対応するため、芦屋大学(倉光弘己学長)では、同症候群の支援実績を豊富に持つ六甲カウンセリング研究所長の井上敏明臨床心理学博士を特任教授に迎え、去る六月にアスペルガー研究所を開設した。
同研究所では、学内の臨床教育、臨床心理学関係の教員に加え、六甲カウンセリング研究所のカウンセラー、学外の精神科医や脳科学者と連携して研究会を定例的に開いていく。例証分析、サポート資料などを外部に発表し、大学院の教育にも反映させる。また、同研究所の付属機関として「人間関係相談センター」を開設。六甲カウンセリング研究所に業務委託をして、熟練したカウンセラーに相談業務に当たってもらい、例証の集積や改善の試みなどを研究会と連動する形で行う。相談料は三〇〇〇円を基本とし、研究資料の収集に協力してもらう。
また、アスペルガー症候群を中心に、保護者や一般市民向けのセミナー・公開講座も開催。八月二十四、二十五日には、芦屋市民会館において、特別支援教育セミナーを開き、井上教授らが講義を行う。また、十月中旬より公開講座(全一二回)も予定している。