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平成23年1月 第2426号(1月1日)

加盟校の力で成功を!!
  完全復元伊能図全国巡回フロア展 


兵庫大学長室長が寄稿
知名度、信頼度アップに繋がる

  「完全復元伊能図全国巡回フロア展」を昨年8月に開催した兵庫大学(三浦隆則学長、兵庫県加古川市)は4000人を超える来場者を集め、「大学の好感度、信頼度アップにつながった」という。開催の動機や開催までの苦労、大学が得たもの、これから開催する大学への助言などを同大学長室長の副島義憲氏に寄稿してもらった。

開催は手探りで、試行錯誤の連続
 本学は兵庫県東播磨地域唯一の高等教育機関として、地域社会との緊密な関係を継続的に構築してきている。大学の設置では、加古川市をはじめ近隣2市2町の自治体・経済界など団体及び地域の住民の支援と協力によって開設された。
 昨年は、兵庫大学が創立15周年、短期大学部が創立55周年を迎え、地元加古川市が市制60周年に当たった。この節目の年に創立以来お世話になっている地域の住民の皆様を対象に、これまでの感謝の意味を込めた記念事業イベントを模索した。
 そんな折、昨年2月の教育学術新聞の伊能図フロア展の記事をみて、これを本学の記念事業候補として検討したいと考えた。日本私立大学協会の協力を得ながら具体的で詳細な調査をした結果、記念事業イベントとして適当であるとの結論に達した。
 開催に向けては、4日間開催という本学初の大掛かりなイベントだったため、手探りで試行錯誤の連続となった。開催期間中の運営スタッフ(事務職員、学生)の配置等、運営体制の整備に苦労した。
 とりわけ、通常業務の中での事務職員の配置は調整が大変だったが、全員がこのイベントの意義を理解してくれたため、円滑に遂行できた。
 数千人規模の集客を実現するための広報活動も手探りだった。チラシやポスターによる広報活動段階では、伊能図フロア展の内容や規模、迫力などを、なかなか理解してもらえず口頭による説明に苦労した。
 おかげさまで、うまくいったのは、伊能図展だけではなく、映画上映、講演会、地元市民グループの資料展など4つのイベントを同時開催したことによる相乗効果で、伊能忠敬の学術的、歴史的理解を深められたと思っている。
 メディアへの声掛けを根気強く行った結果、NHK(テレビ、ラジオ)、神戸新聞、朝日新聞、読売新聞など主要メディアが報道。開催初日に取材誘致を行ったことが2日目以降の集客につながった。
 伊能図フロア展で大学が得たものは、アンケート結果が証明した。来場者の満足度は全てのイベントで90%超で、大学に対する好感度と信頼度アップにつながった。
 回答者の1人が自由記述欄に書いてくださった次の文章は伊能図フロア展に関わった本学関係者の苦労を吹き飛ばした。
 「今回開催される伊能図フロア展には以前より期待しておりましたが、実際はそれ以上で、今回延べ3日間来場させていただきました。内容が最高に良く(展示、講演、映画等)、受入れ体制(学生、関係者等)にも感動いたしました。さすが兵大! 地元民として感謝、お礼申し上げます」
 また、アンケートの結果、来場者の居住地は39の自治体に及んでおり、従来の講演会などに比べ格段に裾野が広がった。大学の知名度アップに結びついたと思う。
 これから開催される大学への助言ということですが、如何に大学組織全体で取り組むという体制に持っていき、多くの関係者の理解と協力を得るか、これが大事です。同時に、イベント開催の趣旨、目的を、大学組織でしっかりと位置づけ、共通認識を確立しておくことです。
 メディアへの告知は事前・中押し・詰めと、しつこいくらいに実施し取材につなげることです。広報力が予想を上回る来場者を集めた要因の一つだと思っています。
 最後に、この伊能図フロア展は、開催する大学にとって、知名度、信頼度など大学のブランド力アップにつながるのは間違いありません。今年以降、多くの加盟大学が伊能図フロア展を開催し、大学の知名度アップに役立てられることを願って止みません。

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