平成22年9月 第2414号(9月1日)
■「職業教育とインターンシップ」
学会関東支部設立準備会が研究会
日本インターンシップ学会関東支部設立準備会は8月28日、目白大学新宿キャンパスにおいて、第2回研究会を開催した。このたびのテーマは「職業教育とインターンシップ」。
はじめに安彦忠彦早稲田大学教授が、職業教育・キャリア教育のあり方について基調講演を行った。中教審のキャリア教育・職業教育特別部会「第二次審議経過報告」について概要を解説した上で、日本は「職業=働くこと」と「生活=生きること」を分離する傾向があると指摘。また、大学でのキャリア教育について「今ある職業を前提として人間形成を行っている高校の職業教育・キャリア教育とは異なる。大学でのキャリア教育の独自性は職業を相対化する態度の確立である」と述べた。
続いて、@シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル人事総務部の小林隆江シニアHRオフィサー、A聖徳大学女性キャリア学科の島田薫教授、B職業能力開発総合大学校の奥田美都子講師、C工学院大学の横山修一教授の四氏による発表が行われた。
島田氏は同学科必修科目のインターンシップの事例(3年次に6カ月)や実績を紹介。同学科ではインターンシップの派遣に際し、独自に基準(マナー、パソコン、英語)を設け、それに達しないと派遣しないという。
奥田氏は「キャリア形成支援・就職支援とインターンシップ」について発表。主体である学生のニーズが満たされないなどの問題点を挙げ、「学生・大学・受入施設の三者が共にメリットを共有できるしくみづくりが必要である」と述べた。
日本インターンシップ推進協会の会長でもある横山氏は、キャリア教育の課題として@評価手法が確立されていない、Aキャリア教育を担うコーディネーターが必要などを挙げた。最後に「目標を持った学生を育てていくことが大切である」と語った。
なお、同準備会は来年3月の支部設立を目指しており、このたびの研究室には大学関係者ら約60名が参加した。