平成22年4月 第2397号(4月14日)
■学生が育つ「まちの駅」
長岡大が教育と“地域活性”に活用
長岡大学(原 陽一郎学長)では、平成19年度現代的教育ニーズ取組支援プログラムに選定された「学生による地域活性化提案プログラム―政策対応型専門人材の育成―」に取り組んでいる。学生の社会人基礎力、企画提案力の向上と地域活性化への貢献を目的として、平成21年度には10ゼミが参加(3、4年生の53.4%)した。
この取組の中で、経済経営学部の鯉江康正教授のゼミでは、平成19年度から「まちの駅」の活動による地域活性化方策を検討している。同年度は、@文献・資料調査により「まちの駅」の歴史と概要を整理し、Aヒアリング調査により長岡市における「まちの駅」の現状と課題をまとめた。その結果「まちの駅 長岡大学」の図書館の一般開放と大学施設の積極的開放を教授会に提言し実行に移された。
平成20年度は、前年度調査を受ける形で、@全国の「まちの駅」へのアンケート調査の実施、A長岡市の「まちの駅」のパネル及び商品の展示、B「まちの駅」の食材を使った模擬店(豚汁とおにぎりの販売)を行った。活動B及びCは学園祭(悠久祭)で実施したが、BについてはGPの活動ではなく、ゼミ独自の活動として行った(補助金の対象外)。その他、「まちの駅」やGPを通しての活動をパネルにして学内に展示。結果、当初は学生にほとんど知られていなかった「まちの駅」が、今では多くにその存在が知られるようになっている。
さらに平成21年度は、20年度アンケート調査結果及びアドバイザーの『長岡市民センター』職員のすすめを受け、@富士地域、会津地域、本庄地域の「まちの駅」にヒアリング調査(二五箇所)を実施。あわせて昨年同様、A長岡市の「まちの駅」のパネル展、B「まちの駅」の食材を使った模擬店を行った。
その結果、様々な地域の取組のノウハウを学ぶことができ、学生からは「次年度は『越後長岡まちの駅ネットワーク』の駅長会議に参加させていただき、マスコットキャラクターの公募・製作、まちの駅パスポートの作成やウォーキングイベントの実施等に協力したい」との声も。また、鯉江教授は、「まちづくりは人づくりであり、学生のスピードは緩やかであるが着実に前進し、伝統も築けてきているので、今後の活動を期待したい」と語る。
同大学では、次年度以降も地域活性化の取組を大学独自予算で継続することが決定している。