平成22年3月 第2394号(3月10日)
■大学の環境活動を発表
私大環協が第26回総会・研修会
環境問題に取り組む私立大学のネットワークである私立大学環境保全協議会(西山 繁会長)は、去る3月8日・9日、東京の早稲田大学において、第26回総会・研修研究会を開催、およそ200名の大学、企業関係者が参加した。
同協議会は本年で25周年を迎える。研修研究会の冒頭では、白井克彦早稲田大学総長が開催校挨拶に立ち、「環境問題の議論は経済や市場の問題として語られがちだが、社会的メカニズムとして捉える必要がある。大学は教育というアプローチで考えていかなければならない」と述べた。
1日目は、「大学における地球温暖化対策―室内環境とCO2排出量削減」と題した同大学の田辺新一教授の特別講演の他、早稲田大学の環境・安全への取組について、職員・学生からそれぞれ発表があった。
田辺教授は、大学のエネルギー消費量や国や自治体の政策、海外の事例などに触れながら、エコキャンパスについて建築の観点から論じ、最後に「暑すぎると知的生産性が低下する」事例などを紹介した。
次に、同大学の職員が、@地球温暖化への取組として、早稲田大学環境マネジメントシステムの構築の過程や東京都環境確保条例改正への対応について紹介、A環境活動への学生参画について、平山郁夫記念ボランティアセンターの環境ボランティアと学びの支援状況を解説すると共に、二つの学生環境サークルecofrusと環境ロドリゲスが取組を紹介、B安全衛生、そして化学物質の安全管理の取組について、同大学の化学物質管理システム「CRIS」の運用状況について紹介、C学生への「安全教育(安全eラーニングプログラム)の取組について、そのコンテンツの紹介、D廃棄物管理の効率化の取組として、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の流れや導入経緯について紹介した。その後会場を移動しての懇親会となった。
2日目は、環境保全意識の活性化や環境管理、廃棄物管理、安全の取組、省エネなど八グループの細分化したテーマでのグループ討議が行われ、参加者は熱心に意見交換を行った。また、午後には賛助会員によるランチョンセミナー、困りごとの相談や新たなサービスの企画創出などの相談会が行われた。