平成22年2月 第2392号(2月24日)
■文科省
留学生受入れの推進
交流会議で関係者ら会す
留学生受入れの推進のため、文部科学省は2月8日、「留学生交流総合推進会議」を国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開催した。有識者、企業、学校、留学生支援団体などの関係者らが一堂に会す初の全国レベルの会議で、約500名が参加。講演等の後、各分科会で活発な協議や情報交換が行われた。
加藤重治文部科学大臣官房審議官の挨拶の後、「留学生30万人計画の目指すところ」と題して、木村 孟文部科学省顧問が基調講演を行った。「留学生交流の意義は、日本と諸外国との間の人的ネットワークの形成により、相互理解と友好関係が深化し、世界の安定と平和に資すること。諸外国から見た日本留学の魅力を高めていく必要がある」と述べた。
太神みどり「大学コンソーシアムおおいた事務局長代理が、事例紹介した。大分県には、101カ国、4160人の留学生(平成21年11月)がおり、対県人口比留学生数は全国1位。県内の大学、関係自治体、産業界等が主体となって設立した同コンソーシアムは、留学生を県の将来を担う貴重な人的資源と捉え、生活支援、地域活動支援、地域交流支援、就職支援など多岐にわたる事業を展開している。
続いて、ニュージーランドから東京大学大学院に留学中のポール・ドゥ・ランゲ氏が、留学体験談を発表。入国後3ヵ月で4回の引越しをした経験などから、住居や生活情報へのアクセスの仕方など、入国直後の支援の重要性について述べた。また、日本での就職について、日本語ができないと採用されない、就職活動の期間が長く複雑であると指摘した。
次の五つのテーマで分科会が行われた。
▽留学生に対する日本語教育、▽留学生に対する就職支援、▽留学生の入学選抜、▽留学生と地域との関わり、▽学内における留学生支援とフォローアップ。
留学生と地域との関わりをテーマにした分科会では、広島県と静岡県の取組を例に、留学生が地域交流に参加するための方策や課題、地域の活力に留学生をどのように繋げていくかなどについて講師からの講義の後、協議された。「地域にコンソーシアムができたとしても、学内の連携が貧弱であると有機的連携にならない」、「組織内の人事異動などにより活動が停滞することのないよう、組織の理念が必要である」といった意見が出された。