平成22年2月 第2392号(2月24日)
■大学設置・学校法人審
大学・短大22校・大学院8校に
アフターケア 定員超過は78校
設置計画履行状況等調査(アフターケア)は、大学等の設置認可時等における留意事項及び授業科目の開設状況・教員組織の整備状況その他の設置計画の履行状況について、各大学からの報告を求め、書面、面接又は実地調査を行い、各大学の教育水準の維持・向上及び主体的な改善・充実のために実施するものであり、大学設置・学校法人審議会大学設置分科会の調査委員会が調査に当っている。
調査事項は、@アフターケアの実施、Aアフターケアの改善方策、Bその他認可及び届出後の質保証に係る事項となっており、このほど平成21年度の調査が終了し、取りまとめて公表した。
平成15年から導入された届出制度により設置された学部等については、平成19年度から試行的に実態把握に努めている。届出制度によって機動的な組織改編が容易になった一方、教育水準の継続的な維持・向上が必ずしも十分に図られているとは言えない状況が多く見られた。そのため、21年度は、届出で設置された公私立大の学部等及び同様の手続きで設置された国立大の学部等にも調査対象校を拡大した上で、認可申請した学部等のアフターケアと同様の調査を実施した。各調査の内訳は、次の通り。
▽書面調査=認可申請の大学等313件、届出(19年度以後分)の学部等953件で、定員超過状況と設置時の計画からの変更状況を確認した。また、完成年度を迎えたもののうち昨年度に留意事項を付した大学等63件(定員超過のみの34件含む)の調査も行った。
▽面接調査=完成年度に達する新設大学院11件(認可)、21年度開設の大学新設等11件(認可)及び書面調査も行った大学6件(認可4件・届出2件)の合計28件(認可26件・届出2件)の調査。
▽実地調査=認可時に留意事項を付したもののうち45件(認可33件・届出12件)
調査結果の概要
全体としては、科目開設や教員配置など計画が履行されているが、一部に履行が不十分である事例も散見された。特に、設置認可後から完成年度に至るまでの間に、各種変更計画に係る手続きの理解不足により、教員の新規採用又は担当科目の追加もしくは昇進の場合に大学設置・学校法人審議会の教員審査を受けていないなど、不適切な事例も見られた。
今回のアフターケアの結果、留意事項が付されたのは、大学・短期大学が28件(22校)、大学院八件(8校)、なお、定員超過のみの大学等は147件(78校)であった。
その他、留意事項の内容は多岐にわたっており、注意を要するものとして、次の内容等を挙げている。
【教育課程関係】
開設初年度より、専任教員の就任辞退により未開講科目があるので、教員の年齢構成に配慮しながら適正な人員配置に努めること。授業科目中、対策講座等の資格取得を目的とした科目は、大学教育として相応しくないため、当該科目の内容等を見直すこと、など。
【教員関係】
専任教員について、大学以外に業務を持っている者が多く、教員全体の週当たり勤務日数の水準が低い、など。専任教員は「専ら」大学における教育研究に従事するものとされている点に留意。
【FD関係】
単に講演会を開催することではなく、「授業及び研究指導の内容及び方法の改善を図るための組織的な活動」であることを理解して取り組む。
【管理運営、その他】
編入学者の単位認定について、大学教育の水準に相応しい内容であるか精査した上で、科目毎に個別に認定を行うこと。