平成22年2月 第2391号(2月17日)
■コピペをどう防ぐか
一橋大がFDシンポ
一橋大学大学教育研究開発センターは、去る2月2日、同大学において、2009年度第2回全学FDシンポジウム「レポート剽窃問題を考える」を開催した。
レポートの剽窃とは、ウェブサイト等に掲載されている論文をそのままコピーして利用することで、インターネットの拡大とともに浮上してきた問題。丸写しはすぐに発覚するが、微妙に文章を組み替えているものは教員の目をすり抜けてしまうことも。課題の出し方を工夫したり、レポートの書き方を教えたりと、各大学で現在も模索は続く。京都女子大学の江口聡氏は、こうした試行錯誤とともに、「レポートの書き方」という自作プリントを紹介した。
次に、コピペ(剽窃)の検出ソフト「コピペルナー」を開発した金沢工業大学大学院工学研究科の杉光一成氏が同ソフトの開発秘話などを解説した。欧米では、「Turnitin」という対策ソフトがあり、108か国で利用されている。コピペルナーは、他人の文章等丸写しについて教員の判断を支援する(最終判断は教員自身)設計。インターネット及び登録した文献などから検出する。最後に、「コピペを容認すると、表現力のない学生が増大する。コピペ発覚の際の明確な処分が必要」と訴えた。
次に、東京大学の山本泰氏が、長年対策に取り組んできたことなどを紹介。また、剽窃には三つの位相があり、@取り締まり、A技法、B思想の各問題があるとした。
剽窃が何故問題になるかは、法的、あるいは、モラルの側面から分けて学生に教える必要がある。剽窃の防止には、まずは書き方の指導を行い、コピペルナー等で校正に判断を行い、最後に厳格な処分を行う。一方で、山本氏が触れたように、「書かれていないこと、オリジナル」の考えを示すことは非常に困難であり、「公知の事実」とどこで線を引くのかも課題となる。そもそも、論文とはどう進めるか、プロセスを指導することも重要であろう。