Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成22年2月 第2391号(2月17日)

親元からの仕送り“ゼロ”1割
 全国大学生協連の調査

 親元からの仕送り「ゼロ」と答えた下宿生が一割を超えたことが、全国大学生活共同組合連合会(東京)の第45回学生生活実態調査でわかった。調査は昨年10月から11月、全国31大学の学生を対象に実施され、9660人が回答。長引く不況がどのように学生生活に影響を与えているか、実態が浮かび上がった。

 アパートなど自宅外(寮と食事付下宿を除く)から通う下宿生への仕送り額は、前年比3520円減の月7万4060円で、1984年並みに下がった。過去最高だった96年の10万2240円からは27.6%の減少となる。
また、仕送り「ゼロ」と回答した学生は10.2%に上り、調査データが残っている1970年以来初めて一割を超えた。
仕送りゼロの学生の収入は、奨学金7万5380円とアルバイト代3万6060円によって支えられている。仕送り「14万円以上」の学生と収入構成を比較すると、奨学金は62.3%に対し0.8%、アルバイト代は29.8%に対し7.8%とその差は歴然としている。
回答した学生のうち、奨学金を受給している学生は37.2%(自宅生27.5%、下宿生44.6%)で、金額は月6万650円(受給者平均)と、63年の調査以降初めて6万円台となった。なお、奨学金は、自宅生では大学納付金に、下宿生では大半が生活費に充てている。
下宿生の生活費の中のアルバイト収入月2万2370円は、最高額であった92年の2万6850円から16.7%減少している。
下宿生の収入合計は12万5580円。仕送りとアルバイト収入減を補完してきた奨学金の増加がありつつも、最高額であった96年の13万9870円より10.2%減となっている。
支出を抑える傾向もあり、下宿生は住居費(前年度比940円増の5万5660円)以外の支出がすべて減少している。特に食費は、前年度比1080円減の2万3350円で、76年(2万2970円)以降で最低の額となった。貯金・繰越1万480円も前年度比1780円減と減少額が大きい。
また、08年秋から09年秋の期間で、親の経済状況の変化が「自分の経済生活に影響を与えた」という学生は14.3%で、前年に比べて4.2ポイント増加。保護者の収入減が直接影響を与えていることが推測される。


 


Page Top