平成22年2月　第2390号（2月10日）

■21年度科研費は1970億円
　対前年度2.0％増の伸び

　科学研究費補助金（以下、「科研費」）は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究（研究者の自由な発想に基づく研究）」を対象とする「競争的資金」。
　専門分野の近い複数の研究者による審査である「ピア・レビュー」という方式によって、科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会や（独）日本学術振興会科学研究費委員会の審査を経て、その配分が決定されている。
　科研費の予算額は毎年増えてきている。平成21年度予算においては、対前年度38億円増（2.0％増）の1970億円となった。これは政府の競争的資金（4913億円）のおよそ4割を占める。さらに、平成22年度予算案では2000億円を計上している。
　研究者が科研費に応募するためには、一部の研究種目を除いて、規程で定める「研究機関」に属していることが必要である。この「研究機関」については、大学・短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関、文部科学省の施設等機関以外に、「文部科学大臣が指定する機関」が定められている。平成21年11月現在で、規定する「研究機関」は、1750機関となっている。
　表は、私立大学・私立短期大学における新規採択分と継続分の合計の採択件数・配分額（直接経費と間接経費）で、配分額合計の多い順に一覧にしたものである。私立大学の応募件数は3万4763件で、採択件数は1万2004件。配分額合計は、277億8084万円で、全研究機関の配分額合計の14.7％となる。


　　　平成21年度科学研究費補助金　機関別採択件数・配分額一覧　[PDF]