平成22年2月 第2390号(2月10日)
■21年度科研費全体の配分状況
新規応募9万9994件
特別推進研究・新学術領域研究・基盤研究(S)月瘤闌、究(S)・若手研究(スタートアップ)なども含む
文部科学省は、このほど「平成21年度科学研究費補助金」(以下、科研費)の配分について、昨年6月に発表した速報値の内定分に、その後交付決定した「特別推進研究〈新規〉」、「新学術領域研究〈新規〉」、「基盤研究(S)〈新規〉」、「若手研究(S)〈新規〉」、「若手研究(スタートアップ)〈新規〉」及び「特別研究員奨励費」の内定分を加えた資料を公表した。
このたび新たに交付内定した研究種目の内容及び新規分の応募・採択(採択率)の状況は次のとおりである。
▼特別推進研究=国際的に高い評価を得ている研究で、格段に優れた研究成果をもたらす可能性のある研究(期間3〜5年、一課題5億円程度の目安で制限はない)。
→応募83件・採択12件(14.5%)
▼新学術領域研究=(1)研究領域提案型:研究者又は研究者グループにより提案された、我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究領域について、共同研究や研究人材の育成等の取組みを通じて発展させる(期間5年、単年度当たりの目安一領域1000万円〜3億円程度)。→応募3332件・採択567件(17.0%)
(2)研究課題提案型:確実な研究成果が見込めるとは限らないものの、当該研究課題が進展することにより学術研究のブレークスルーをもたらす可能性のある、革新的・挑戦的な研究(期間3年、単年度当たり1000万円程度)。→応募728件・採択80件(11.0%)
▼基盤研究(S)=一人または比較的少人数の研究者が行う独創的・先駆的な研究(期間5年、一課題5000万円以上2億円程度まで)。→応募489件・採択100件(20.4%)
▼若手研究(S)=42歳以下の研究者が一人で行う研究(期間5年、概ね3000万円以上1億円程度まで)。→応募562件・採択35件(6.2%)
▼若手研究(スタートアップ)=研究機関に採用されたばかりの研究者等が一人で行う研究(期間2年、年間150万円以下)。→応募4460件・採択1024件(23.0%)
▼特別研究員奨励費=日本学術振興会の特別研究員(外国の特別研究員を含む)が行う研究の助成(期間3年以内)。→応募2892件・採択2892件(100%)
【応募状況】
これらの新たな内定分を含めると、21年度の新規応募件数は9万9994件となり、前年より微増している。
したがって、継続分も含めた応募件数は12万9893件で前年より微増している。
【採択状況】
新規採択件数は2万2508件で、前年度より2280件増加。この結果、21年度の科研費の新規採択率は22.5%となり、前年度より若干(2.2%)上昇。
近年の状況をみると、平成9年度以降20%台前半でほぼ横ばいである。
また、継続分も含めた採択件数は5万2354件で、採択率は40.3%と前年度より1.9%上昇。
【国公私別応募率】
大学について、教員数と科研費への応募件数を比べてみると、国公立大学は、私立大学よりも教員数に比べて応募率が高く、科研費の採択に向けて積極的に応募している。私立大学では約3人に1人の割合であり、奮起が求められている。
なお、科研費に応募できる研究機関数は国立大86、公立大85、私立大598、短大・高専458のほか523あり、合計で1750機関。