平成22年1月 第2388号(1月27日)
■私学事業団
帰属収支差額比率0%未満が71短大法人
「今日の私学財政」で明らかに
日本私立学校振興・共済事業団は「今日の私学財政」(21年度版)を発表した。帰属収支差額比率が0%未満の私立短期大学法人は71法人で、全体(127法人)の55.9%(昨年度に比べ8.8%ポイント増)。▲20%未満の同法人の割合は、18.1%に上ることなどが明らかになった。
【消費収支状況】
法人数は大幅に減少=20年度法人数は127法人で、元年度の262法人より、135法人減少している。
法人数の減少とともに学生生徒等納付金等の帰属収入は減少。補助金の構成比率は増加しており、補助金の減少幅は小さい。消費支出は教育研究経費等全般は減少している。
帰属収支差額、消費収支差額はマイナス=帰属収支差額は3年度以降は減少傾向にあり、20年度は帰属収支差額は大幅に減少しマイナスとなっている(20年度=▲54億円)。消費収支差額は、8年度にマイナスに転じた後、マイナス100億円からマイナス300億円程度で推移しているが、消費支出の構成割合の上昇に伴い、消費収支差額比率が下降している。
資産運用収入は減少、寄附金は横ばい=資産運用収入は、4年度以降大きく減少。14年度から増額に転じたものの、20年度は僅かに減少している(20年度=38億円)。これに対し寄附金は年度による増減があり、20年度は減少している(20年度=30億円)。
資産処分の影響=資産処分差額が資産売却差額を上回り、20年度の影響額は47億円であった。
【財政状況】
総資産は減少=法人数の減少に伴い、総資産は減少している。そのうち、その他の固定資産の構成比率は上昇。使途を明確にして資金を管理する傾向がみられる。流動資産の構成比率は下降しており、現金預金・有価証券などの自由度の高い資産の割合は低くなってきている。
借入金等は減少=法人数の減少に伴い、負債総額は減少。特に、借入金等の減少幅は大きい。
建物は老朽化=建物の減価償却比率をみると5年度には減価償却比率40%以上の法人数は7法人(50%以上1法人、40%以上50%未満6法人)であったが、20年度では63法人(50%以上23法人、40%以上50%未満40法人)と増加しており、建物の老朽化が進んでいる。
預金等資産は減少=預金等資産に対し、退職給与引当金など要積立額を比較すると、15年度までは預金等資産は積立額を上回っていたが、20年度では一挙に526億円が不足している。