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平成22年1月 第2387号(1月20日)

文科省
  実質的教育改革に期待
  GPフォーラムを開催

 去る1月7日・8日の両日、東京・江東区のビッグサイトにて、平成21年度大学教育改革プログラム合同フォーラムが開催された(主催:文部科学省/(財)文教協会)。「国公私立大学を通じた大学教育改革支援」各プログラムにおける優れた取組が一堂に会し、高等教育の更なる活性化を目指すことを目的としている。会場では、基調講演のほか各分科会、ポスターセッションが展開された。

 フォーラム開催に当たり、鈴木 寛文部科学副大臣が挨拶に立ち、「昨年末の高等教育関係予算案において、従来の骨太方針での削減を撤回するなど全体では増額の方向となった。一方、事業仕分けにおいては、大学改革支援事業に伴う予算は大半が継続分を確保するに留まったことを重く受け止め、フォーラムで得た情報を大学というコミュニティの中で共有し、進化させていきたい」と述べた。また、22年度の予算案は高等学校の施策が中心であったことから、23年度予算概算要求に向けては、大学についての施策が主軸になるとみられることを示唆。改革の主体である各大学の取組について刷新の期待を表した。
 国公私立大学を通じた大学教育改革支援の充実等に割り当てられた21年度予算額は705億円。大学教育の質の保証の主体的取組を支援するということで新たに措置された枠を対象とした、同フォーラムの分科会においても大きく関心が集まった。「総合的な学生支援」分科会、「大学連携の展開」分科会、「特色ある優れた学部教育の展開」分科会、「大学教育の質保証」分科会等、優れた取組の事例発表に対して、会場からも様々な質問・意見が上がり、各大学が改革に熱心に取組む様子が窺えた。ただ、分科会でコーディネーターを務めた鈴木典比古国際基督教大学学長の総評で、「取組が年々細分化し、もっと大きな視点からの考慮があらためて必要か」と述べていたのが印象的。
   同フォーラムの基調講演は、東京大学名誉教授の天野郁夫氏が「大学教育改革の課題と展望」と題して行った。大学教育改革の変遷を、ターニングポイントとなった中教審各答申をなぞりながら、時代背景ともに解説した。
   「改革のための課題は、これまでの答申で明らかになっている。だが、表面的には行われているようにみえる改革の実際は進んでいないのではないか」等と述べた。

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