平成22年1月 第2386号(1月13日)
■新卒採用拡大に努力を
厳しい就職環境 三省が業界団体に要請
文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省は昨年の12月22日、連名で、245の業界団体等に新規学校卒業者の採用に関して、加盟企業に採用の拡大などの周知徹底を図るよう要請する文書を出した。
要請の文書は次の通り。
「我が国の経済は、最悪期は脱したものの、経済成長の基盤が脆弱であるなど厳しい状況にあり、特に、雇用失業情勢については過去最悪の水準で推移している。
こうした中、国民が抱える不安に対応し、政府を挙げて雇用の確保に取り組むため、本年10月には、緊急雇用対策本部(本部長・内閣総理大臣)で、「緊急雇用対策」をまとめ、同本部における議論も踏まえ、同年12月には、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」をとりまとめた。
平成22年3月卒業予定の新規学校卒業者をめぐる就職環境についても、厳しい状況になることが予想される。
仮に就職未決定のまま卒業を迎える者が多数にのぼるとすれば、本人にとって若年期に就業を通じた知識・技能の蓄積が図れず、将来のキャリア形成の支障となるとともに、我が国の産業や社会を支える人材の育成が図られないなど深刻な問題を惹起しかねない。
政府としても、大学等の「就職相談員」の配置促進やキャリアガイダンスの推進、「高卒・大卒就職ジョブサポーター」の更なる緊急増員等を行っている。
それとともに、インターンシップの拡充や採用意欲のある中小企業等の掘り起こしにより、関係機関が連携して新規学校卒業者の就職支援体制の強化に取り組んでいる。こうしたことで、一人でも多くの新規学校卒業者の就職が実現するように努めていきたい。
産業界の皆さまにおかれましても、非常に厳しい経済情勢の中だが、将来にわたる日本経済の競争力・生産性の向上を図るため、こうした取組に御理解をいただき、新規学校卒業者のための採用の拡大に向けた努力をお願いする次第です。
また、採用内定取消しについても、これが起こることのないよう、併せてお願い申し上げます。
貴団体におかれましては、私どもの要請に、何卒、深い御理解を賜り、傘下団体及び事業主の皆さまにこの趣旨を徹底していただきたく、協力をお願い申し上げます」