平成22年1月 第2386号(1月13日)
■私大団体連 キャリアガイダンス
法令上の明確化で意見
平成21年12月15日、文部科学省内会議室において、中央教育審議会大学分科会質保証システム部会(第12回)が開催された。
大学における社会的・職業的自立に関する指導等(キャリアガイダンス)の実施について協議される中、キャリアガイダンスの法令上の明確化に関する意見等のヒアリングが行われ、日本私立大学団体連合会等が意見発表を行った。
大学側としては、大学設置基準に明確に位置づけること、それらを踏まえ大学設置基準の改正にも賛成との立場から、各団体が意見を述べた。
用語等について適切に定義すること、設置基準での明確化、さらに大学の自主性を損なわない配慮といったことが必要として挙げられた。
私大団体連からは、高等教育改革委員会委員の鈴木典比古国際基督教大学学長、就職問題委員会委員の大橋秀雄工学院大学理事長が出席して意見発表した。
鈴木学長は大学の自主性を強調しつつも、義務化には国の支援が必要、社会全体での支援体制ということにも配慮を、と述べた。大橋理事長は、「キャリア教育」とは何かを明確にすることが大前提とし、大学の就職支援の現状をもとに、「キャリア教育」はすでに多くの大学で基盤的なものとして積極的に取り組まれていると強調した。
そのほか、「キャリアガイダンスという呼称について、教育課程内外にわたる教育・指導プログラムであるとすれば、「キャリア教育」とした方が適当ではないか」、「中小企業について積極的に評価する教育や指導の推進を」という意見などが示され、インターンシップ等の連携推進の強化、学校教育段階での職業観等の醸成といった要望が挙げられた。
また、質の保証の観点から、設置基準の時点で行うのか、認証評価のシステムで行うのかといった意見もあったが、「明確化」を前提に設置基準改正について、パブリックコメントの内容も交えて取りまとめられる。