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平成22年1月 第2385号(1月1日)

今年も「協調と競争で共生」し前進

日本私立大学協会副会長/中村学園大学理事長  中村量一

  謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年を振り返って日本での一番の出来事といえば、当然政権交代が挙げられます。私自身は自民党支持者ですが、仕分け作業をはじめとする民主党新政権の新しい政治手法を見ているとやはり新鮮さ、溌剌さ、若さといった点で政権交代も日本の為には良かったのかと思わざるを得ません。
 しかしながら、民主党あるいは社民党の支持基盤からは、国公立による教育を主とし私学教育を従とした考えをとるのではないかと思われ、今後の教育政策が不安になります。
 いま一つの大きな出来事は天皇陛下在位20年、並びにご成婚50年の慶祝です。旧憲法のもとに即位された昭和天皇とは違い、新憲法下での初めての象徴天皇であり、また新しい時代の皇室像を美智子皇后陛下とともに育んでこられたことに思いをいたし、心からのお慶びを申し上げるものです。ただ、福岡での慶祝県民の集いに参加しながら思ったことは、天皇家こそ、少子(男子について)高齢化の大問題を抱えていらっしゃるということでした。
 日本の少子化の現状はご存知のように、18歳人口は平成20年代にはおおよそ120万人前後で推移しますが、平成30年代には110万人台へと減少し、さらに平成40年代以降は110万人割れとなっていきます。大学の過剰は明らかであり、特に私学においては現在でも厳しい経営を強いられていますが、将来の存続に大変厳しいものがあります。結局、大学統廃合は避けて通れない選択となることでしょう。
 大学の統廃合問題を考えた時、中央からの目線ではなく、地方での目線で解決していかねばならないと思います。しかし残念ながらこの国はまだまだ中央中心主義です。民主党政権は中央集権制度を見直し、地域主権国家樹立を目指す(民主党政策集)とはしているものの、さらに踏み込んだ道州制については全く言及しておりません。昨年の政権交代により現在は若干トーンダウンしていますが、全国で一番道州制が議論され、実現に近いところにあるのが九州だと思います。
 もちろん、法律改正を伴うことではありますが、近い将来九州道(仮称)が実現し、九州・沖縄の国公立大学のうち国立大学は一校のみを存続させ、残る国立大学10校、公立大学11校の統廃合が、九州道政府の下で行われること、そして私学57校の方はそれぞれに自立あるいは合併の道を探り、隆々として発展していることを新年の夢として期待するものです。
 夢は夢として、九州支部は今年も「協調と競争で共生する」をモットーに前進したいものです。本年もよろしくお願い申し上げます。

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