平成21年12月 第2384号(12月16日)
■「学習させる大学」とは
IDE誌特集を深める会
IDE大学協会と桜美林大学は共催で、11月21日、東京・四ツ谷の同大学において、IDE誌特集を深める会「『学習させる』大学」を開催した。
学生の学習を促すために大学は何をなすべきか、特集執筆者の講演の後、ディスカッション、そして会場との質疑応答を行った。
まず、「最近学生学習事情」と題して、岩見和彦氏(関西大学)が講演。同氏の授業実践例を詳細に紹介するとともに、「500人の学生に授業をしたとして、たった一人に強い影響を与え、後にその学生の歴史的な発見に繋がれば、それはよい授業と言えるのか」と疑問を投げかけた。
次に、浦田広朗氏(名城大学)が「大学は飛行機人間を育て得るか」と題して講演。東京大学が2007年に実施した「全国大学生調査」の分析結果を披露しつつ、外山滋比古氏の著書「思考の整理学」を引用し、自力で学習する学生を飛行機、教員から手取り足取り指導されて学習する学生をグライダーに例えた。
最後に、小笠原正明氏(筑波大学)が「学習させる授業と『二つの文化』」と題して、教養教育・基礎教育のコースワーク化を訴えるとともに、90分授業の見直し、また、「卒業研究は世界に誇れるもの」とし、この制度整備を提案した。
ディスカションでは、「卒論は理系と文系の違いを考慮した議論を」「図書館をもう少し学習に生かすべき」などとした意見が交わされた。