平成21年11月 第2382号(11月25日)
■私大団体連
私学振興の懇談会開く
マスコミ各社論説委員等と
日本私立大学団体連合会(会長:白井克彦・日本私立大学連盟会長、早稲田大学総長)は11月19日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で「私学振興に関する論説・編集委員との懇談会」を開催した。
私大団体連が、このような懇談会を持つのは初めてだったが、全国紙、NHKの教育担当の論説委員、編集委員、解説委員九人が出席、大学問題に対する関心の高さが浮き彫りになった。
私大団体連からは、白井会長のほか▽大沼 淳副会長(日本私立大学協会会長、文化女子大学理事長・学長)▽北元喜朗副会長(日本私立大学振興協会会長、北陸大学理事長)▽納谷廣美副会長(日本私立大学連盟副会長、明治大学大学長)▽黒田壽二代議員(日本私立大学協会副会長、金沢工業大学学園長・総長)が出席した。
この懇談会は、民主党マニフェスト及び平成22年度の予算概算要求で、高等教育政策は私立大学振興政策を含め、十分な政策提案が成されているとは言えない状況にあることから、この機会に高等教育の役割の重要性を理解してもらおうと大学問題に詳しい論説委員らを招いて、我が国の高等教育の現状について理解を深めてもらうために開かれた。
白井会長は18歳人口比率、進学率の推移などわが国の高等教育の現状を説明。「事業仕分けをみても文教予算への影響は必至だ。削減となった科学技術関係予算もそれぞれ重い意味がある。言うべきことは言っておきたい」と述べた。
大沼副会長は「大学をどこへ持っていこうとしているのか、何も見えず不安だけが残る。教育には継続性が必要で、これが切られるかどうかの瀬戸際にある。今後とも、お知恵を貸して欲しい」と語った。
論説委員らからは「事業仕分けにおいて、大学人の立場からみて、大きな問題があったら教えて欲しい」、「大学の数がこれだけになると、質の問題も分極化する。机上論でなく、多様な弾力性のあるビジョンを大学側から打ち出したらどうか」といった質問や意見が出て、初めての懇談会は盛り上がりをみせた。
白井会長は、「このような懇談会を今後とも持ちたい」と述べて終了した。