平成21年11月 第2381号(11月18日)
■20年度CO2排出量6.5%減(前年度比)
金融危機による景気後退が原因
環境省はこのたび、2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(速報値)をとりまとめ、12億8600万トンと公表した。京都議定書の規定による基準年(二酸化炭素等は1990年)の総排出量と比べると、総排出量としては1.9%上回った。2007年度と比べると、エネルギー起源二酸化炭素について産業部門をはじめとする各部門の排出量が減少したことなどにより、温室効果ガス総排出量としては6.2%減少した。
前年度比で2008年度の排出量が減少した原因として、金融危機の影響による年度後半の急激な景気後退に伴う、産業部門をはじめ各部門のエネルギー需要の減少などが挙げられる。
また、原子力発電所の利用率が長期停止の影響を受けていない時の水準(1998年度の実績値)にあったと仮定して総排出量を推計すると、2008年度の総排出量は基準年比で3.1%減となる。
特に、二酸化炭素の排出量は12億1600万トンであり、基準年と比べると6.3%(7210万t―CO2)増加。前年度比で主に深刻な景気悪化の影響によりエネルギー起源二酸化炭素が6.7%(8100万t―CO2)と大幅に減少したこと等により、6.5%(8450万t―CO2)減少した。
二酸化炭素以外の温室効果ガスについても一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類以外は前年度減。
各部門の二酸化炭素排出量の内訳は次の通り。
○産業部門(工場等):4億2000万トン。基準年比で13.0%(6260万t―CO2)減少。前年度比で10.4%(4880万t―CO2)減少。
○運輸部門(自動車・船舶等):2億3600万トン。基準年比で8.5%(1840万t―CO2)増加。前年度比で4.1%(1000万t―CO2)減少。1990年度から2001年度までは増加傾向にあったが、その後は減少傾向が続いている。
○業務その他部門(商業・サービス・事業所等):2億3200万トン。基準年比で41.3%(6790万t―CO2)増加。前年度比で4.0%(970万t―CO2)減少。
○家庭部門:1億7200万トン。基準年比で34.7%(4420万t―CO2)増加。前年度比で4.6%(830万t―CO2)減少。
○エネルギー転換部門:7840万トン。基準年比で15.5%(1050万t―CO2)増加。前年度比で5.5%(460万t―CO2)減少。