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平成21年11月 第2381号(11月18日)

私学研修福祉会
  教養教育で差別化を
  トップセミナー(短大の部)を開催

 (財)私学研修福祉会(理事長=廣川利男東京電機大学学事顧問)は、去る11月4日に、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において、第32回私立大学の教育・研究充実に関する研究会(短期大学の部)を開催した。「短期大学の教育力を高める」をテーマに、85短期大学から110名が参加した。

 開会に当たって、廣川理事長が「さまざまに高等教育政策が掲げられているが、現実的には先行きが見えていない。政権が変わっても相変わらず厳しい現状ではあるが、私学はそれぞれの建学の精神に則って、特色発揮の上、教育の充実を図っていかなくてはならない」等と挨拶した。続いて、研究会運営委員長の島田子文京学院短期大学理事長・学長が挨拶に立ち、「このたびのテーマにあるとおり、社会から質の保証が問われている中、短期大学は教養教育を充実させることが課題のひとつ」等と述べ、日程について概要説明を行った。
 午前中の講演Tは「学生の多様化の進行と連携・接続を重視する教育」と題して、濱名 篤関西国際大学理事長・学長が演壇に立った。ユニバーサル化による学生の多様化、それとともに増加した学習しない学生へどうアプローチするか。必然的に、社会に輩出する側の大学の質が問われる構図を解説し、高大接続テストの在り方、初年次教育の必要性を述べた。アクティブラーニングにより、教員も学生も目標を双方向で自覚していくといった、授業方法の指針を提示した。
 昼食休憩後、講演Uでは「教養教育とは」と題して、絹川正吉新潟大学理事が「教養とは何か」を詳細に解説し、その習得の目標は個人の社会化、そして学士課程教育とは一般教養における“社会化”であると述べた。あらためて短期大学士課程の再構築が問われているとして、専門資格取得教育を通した教養教育を行い、大学であるということに立ち返ることが課題であると述べた。
 その後、関根秀和大阪女学院短期大学理事長・学長をコーディネーターに、さきに講演を行った二氏とフロアとで討議が行われた。
 休憩を挟み、テーマ別の分科会が行われ、@私立大学等経常費補助金の配分方法について、AFDの実際、B地域の人材・ニーズに対応した教育、C質保証のあり方の四会場に分かれて協議が行なわれた。
 最後に、講演チ「高等教育の現状と課題」と題して、藤原章夫文部科学省高等教育局大学振興課長が、政権交代後の概算要求の動向、短期大学の展望、審議会の動向、文科省の政策動向について解説した。各大学が強みを発揮してアピールしていくこと、大学間連携の促進などを強調して締めくくった。

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