平成21年11月 第2381号(11月18日)
■事業仕分け(文科省分)
予算削減・廃止相次ぐ
文科省 HPで「国民の声」募集中
行政刷新会議が去る11〜13日、16〜17日までの5日間にわたって実施した平成22年度予算概算要求の事業仕分け第一弾が終了した。
事業仕分け作業は、まず予算を要求している所管省庁が事業内容の説明を行い、予算担当部局(財務省主計局)がその事業の必要性・妥当性等の考え方を表明した上で仕分け人(評価者)が説明者に質問し、説明者が応える。次に、評価者はそれぞれ「評価シート」に仕分けの結果とコメント等を記入し、それを取りまとめ役が集約した上でW.G.の評決となる。
第三W.G.の第一弾の仕分けによる文部科学省の主な事業とその評価結果は次のとおりとなった。
▽国立青少年教育振興機構、教員研修センター→自治体・民間へ移管
▽国立女性教育会館→大幅な削減
▽子ども読書活動→廃止
▽子どもゆめ基金→廃止
▽芸術家の国際交流→予算削減
▽伝統文化子ども教室、学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成→国の事業では行わない
▽放課後子ども教室推進→委託調査廃止、その他は国または地方が実施
▽地域科学技術振興・産学官連携→廃止、成果目標が不明確
▽次世代スーパーコンピューターの推進→事業凍結
▽産学官連携戦略展開事業→廃止
▽競争的資金・先端研究→予算削減、助成事業が八府省に乱立
▽競争的資金・若手研究者育成→予算削減、成果目標が不明確
▽日本科学未来館→予算削減、赤字で経営努力必要
▽キャリア教育・職業教育の推進→国が行う必要がない
▽教員免許制度改革、免許状更新講習開設事業費等補助→半額程度に削減、免許状更新制度の見直し方針が出ている
▽道徳教育総合支援事業→予算50%以下に削減、コスト縮減図る
▽宇宙航空研究開発機構・GXロケット→廃止、開発見通しなく、需要も見込めない
これらの評価結果が当該事業に対する最終判断となるものではないが、文科省は「廃止」等とされた厳しい評価結果が出ていることから、16日、ホームページでの仕分け結果の掲載を機に、「多くの国民の声」を予算編成に生かしたいとして12月15日までメールで意見を募っている。
なお、事業仕分けの第二弾は24日から四日間にわたって実施される。