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平成21年11月 第2380号(11月11日)

「SDに関する提言」
  行政管理学会が全国で情報交換

 大学行政管理学会(大島英穂会長)のSDプログラム検討委員会(福島一政委員長)は、「SDに関する提言(中間報告)」をまとめ、現在、各地で意見交換を行なっている。同提言は今後、大学職員が果たすべき役割や、各大学がSDにどう取り組むかなどについて、深く考える契機としてもらうもの。東京では11月7日、桜美林大学において報告された。

 同検討委員会は、2008年度の学会事業計画に従って発足。福島委員長のもと、「これからの大学職員に求められる知識・技能と、その能力開発の在り方に関して実践的に調査・検討し具体案を作成して執行部に提案を行う」ことを目的として同7月から検討を進め、2009年9月の定期総会・研究集会において「SDに関する提言案」として、中間報告が披露された。中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」においても、SDが重要視され、大学職員に対する役割期待がより高まっている中で、今後全国で提言の意見交換を深めていく。
 去る11月7日の報告では、委員の一人、共立女子大学総合企画室の山中大樹氏が解説した。
 まず、SDの目的として、「大学改革実現へのマネジメント業務のできる職員の能力開発である」と定義している。目的達成のためには、@理事会や大学評議会など法人や様々な決定機関への職員の正式構成員化を進め、A事務局の決定権限(事務局の人事権、予算執行権、業務編成権など)を拡大することが必要である。従って、SD自体の成果指標として、「大学改革の実現に近づいているか」が大きなポイントとなろう。
 大学職員に求められる知識や能力についても、教学、研究、管理の三分野についてそれぞれ詳説した(教学、研究については表参照)。
 最後に、こうしたSDプログラムについて、同学会独自の取り組みとして四つの提案を行なっている。
 一、学会に未設置の業務領域の研究会を発足させる。
 二、各研究会におけるスタンダードの構築やテキスト等の開発を促す。
 三、学会にイギリスのAUAに準じた能力開発コースを設置する。
 四、職員出身の大学役員を中心としたフォーラムを設け、ロールモデルとして啓蒙を進める(職員トップの見える化)。
 また、外部団体がすでに行なう職員研修の分析を行い、今後は「ワークショップ型研修」を実施する団体等と一緒に企画していきたいこと、研修で身につけた知識・スキルを生かすために、事前に所属大学の理解を得ること等が必要との認識を示した。
 最後に、福島委員長は、「職員の権限の拡大とは、責任の増大でもある。しかし、職員のことは、職員自身が決めることが基本だ」等と締めくくった。

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