平成21年11月 第2379号(11月4日)
■私大協会教育学術充実委
「質保証」テーマに協議
教員養成制度・入試のインフル対策・情報公開・高大接続テスト等も
日本私立大学協会は、去る10月28日、第五回教育学術充実研究委員会(担当理事=中原 爽日本歯科大学元理事長・学長、福井直敬武蔵野音楽大学理事長・学長)を開催し、私立大学の教育と学術研究に関する重要課題及び来たる12月2日に開催予定の平成21年度「第二回教育学術充実協議会」の協議課題等を協議するとともに、「高大接続テスト(仮称)の在り方について」の講演と意見交換を行った。
私学を取りまく重要課題の一つである教員免許更新制度をはじめとする教員養成制度の見直しについて協議した上で、委員に意見を寄せてもらうよう協力を要請した。
次に、文部科学省の平成22年度大学入学者選抜に係る新型インフルエンザ対応方針が説明された。そのポイントは@大学入試センター試験は平成22年1月16、17日に実施。追試験は本試験の二週間後(従来は一週間後)の同1月30、31日とし、試験会場は全都道府県で確保。A各大学の個別学力検査は、各大学に追試験などの受験機会の確保を要請。B受験会場の衛生管理体制についての対応や、発熱・咳等の症状のある者を対象とした別室での受験実施などを要請。C受験生等への情報提供では、新型インフルエンザに係る対応について確実に受験生に伝わるよう郵送による周知のほか、ホームページの活用などを要請。なお詳細な対応については、10月20日から28日まで全国八会場で、説明会が開かれている。
引き続き、中教審大学分科会の質保証システム部会で審議中の「大学の教育に関する情報の積極的な公表に関する論点整理」についてでは、公表が必要な主要項目(学科や専攻ごとの教育目的・教育課程の基本的な考え方や概要、また、修得が期待される知識・能力体系〈授業科目の年間シラバス、担当教員名・教育研究実績など〉、学修の成果に係る評価及び卒業の認定基準など)のほか、学生の卒業後の進路、受験者数、合格者数、入学者数等の入学者選抜に関する事項、奨学金や授業料免除を含めた授業料、入学料等の費用徴収に関する事項、施設・設備等の教育環境に関する事項などが挙げられている。
併せて、これらの情報を公開する際の政策としてどのような法令等が考えられるのか、さらには、公表が課されていながら十分に行っていない場合の対応や項目による共通様式の在り方、大学間で比較するための枠組みについて、情報公開の取組を認証評価でどのように評価していくのかなど、多くの論点が提示され、今後検討を深め、意見取りまとめを行っていく。
情報公開では、教育・研究面以外に経営情報に関わるものもある(大学規模・大学経営部会で審議中)。
また、「キャリア教育・職業教育の在り方」と「第四期科学技術基本計画」のヒアリングの概要が黒田壽二委員から報告された。
次に、平成21年度「第二回教育学術充実協議会」の協議に入り、「大学の質保証の新局面(仮題)」のテーマの下で、「第四期科学技術基本計画の策定と学術研究の質保証」、「大学教育の『分野別質保証』の検討動向」、「『高大接続テスト(仮称)』の検討状況」など盛り沢山の協議内容が事務局から提案され、協議の上、具体的な日程案の構成は担当理事と事務局で詰めることとした。
小休憩の後、文科省の委託事業として「高大接続テスト(仮称)」を研究している佐々木隆生北海道大学公共政策大学院特任教授から協議・研究内容について発表が行われた。