平成21年10月 第2378号(10月28日)
■留学生問題のいまとこれから
第51回大学教員セミナー
去る10月17日と18日の両日、(財)大学セミナーハウスは、八王子セミナーハウスにおいて、第51回大学教員セミナー「留学生問題のいまとこれからを考える」を開催した。
一日目は、「留学生政策と日本の大学」と題する、中嶋嶺雄国際教養大学長の基調講演のほか、三つの講演が行われた。
講演の一つ目、文科省高等教育局大学改革官の江崎典宏学生・留学生課留学生交流室長は、留学生政策について述べた。
次に、関西外国語大学国際交流部の山本 甫部長が、同大における短期の受入れを例に、大学国際化の戦略について述べた。同大では欧米からの留学生が八割を占める。山本部長は、@プログラムは、英語スキルだけでなく、話術等に富んだ教員で構成、A授業料を米ドルで表示するなどの工夫を紹介した。
最後に、明治大学国際日本学部の横田雅弘教授が、「留学生30万人時代と大学の課題」と題して講演を行った。他国の戦略的留学生政策を具体的に紹介し、世界の潮流は、高度人材争奪戦の中にあることを示唆した。06年の調査では、公立大と私立大の85%が国際化の明確なビジョンをもっていなかったこと等を示し、留学生受入については、教育経済学的分析などの戦略的アプローチが必要であると述べた。
その後に分科会討論、二日目には全体会が行われ、全日程を終了した。