平成21年10月 第2375号(10月7日)
■九州支部
真のアドミニストレーターを目指して
事務研修会を開催
去る9月10日と11日の両日、日本私立大学協会の九州支部(支部長=中村量一中村学園大学理事長)は、第11回事務研修会を、福岡ガーデンパレスにおいて開催した。同支部加盟校から42大学、68名が参集し、私立大学を取り巻く諸情勢や実務に関する知識と理解を深めた。
開会に先立ち、崇城大学の中山峰男理事長は「東京から離れた地方大学は困難の中にあるが、九州は一丸となって振興を図っていきたい」と挨拶を述べた。
一日目は、「真のアドミニストレーターを目指して」をメインテーマに、@日本私立大学協会の小出秀文事務局長、A日本私立学校振興・共済事業団の山本雅淑私学経営情報センター長、B文部科学省高等教育局私学部の村瀬剛太参事官付視学官の三氏による講演が行われた。
はじめに、小出氏が登壇し、私立大学の存在意義と今日的役割について見解を述べ、当面の情勢と重要課題について解説した。
その後、山本氏が「競争的環境での私学経営の課題」と題し講演を行った。規模別の入学定員充足率と合格率の推移を紹介した上で、入学定員が3000人以上の大学(全私立大の4%)が全私立大学生の31%を、また全私立大の帰属収支差額の50%を占有していること等を指摘した。
さらに、昭和53年度には帰属収入の21%を占めていた補助金が20年度には11%に減少した一方で、学生生徒等納付金は、53年度の64%から77%に増加したこと等、私立大学の財政の変遷について具体的に述べた。また、私大財政基盤の確立には、寄付金受入の具体的施策が重要との提案があった。
続いて、村瀬氏が「私学行政の現状と課題について」と題して、日本の私学の状況、基盤的経費の措置や大学教育改革の支援などの私学振興関連施策の概要について述べた。
また、一日目の最後に催された懇親会では、情報交換が行われ、有意義な時間となった。
二日目は、三つの班に分かれてデスカッションが行われた。@総務・庶務・会計=危機管理、外部資金の獲得、A教務・入試=学士力、FD活動、差別化戦略と大学広報、免許更新講習、B学生・就職=学生支援、退学者防止、危機管理。
なお、同研修会は、熊本地区の次の大学が当番として担当した。九州看護福祉大、九州ルーテル学院大、熊本学園大、熊本保健科学大、平成音楽大、崇城大。