平成21年10月 第2375号(10月7日)
■22年度 科研費説明会開く
公募要領の変更点など
文部科学省は、(独)日本学術振興会(JSPS)と合同で、平成22年度の科学研究費補助金(以下、科研費)の公募に当たり、「平成22年度科学研究費補助金公募要領等説明会」を、全国8会場で実施した。
去る9月17日、東京大学においては関東・甲信越地区の大学関係機関を対象に開催された。同説明会では、実務担当者向けに科研費制度の概要、公募要領、同変更点について、また、不正使用等の防止等を中心に詳細な解説が行われた。
平成21年度の科研費予算規模は競争的資金の約40%を占める。
科研費は、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な学術研究を支援するものとして、人文・社会科学から自然科学までのすべての研究分野が対象。不正使用・不正行為に対しては、補助金の返還、一定期間の応募資格の停止(他の競争的資金への応募も含む)など、厳格な措置がとられる。
直接経費については、研究のために必要な経費であれば支払えないものはほとんどないが、研究機関が自ら定める使用ルールが直接経費の使い勝手に影響していることもあり、この点が研究機関の腕の見せどころとも言われている。
間接経費は、各研究機関の長の責任の下で、様々な物品の購入や施設の運営経費等に活用されており、研究環境の改善や、研究機関全体の機能の向上のために重要な役割を果たしている。また、科研費は年度間の繰越も可能で、平成20年度は1312件と、繰越制度の利用が増えている。
平成22年度公募要領の主な変更点については、次の通り。
▽「系・分野・分科・細目表」を一部変更。具体的には、@分野「総合領域」において、分科「神経科学」を「脳神経科学」に変更、分科「脳神経科学」に細目「融合基盤脳科学、融合脳計測科学、融合社会脳科学」を追加、分科「腫瘍学」に細目「発がん、腫瘍生物学、腫瘍免疫学、腫瘍診断学、臨床腫瘍学、がん疫学・予防」を追加。A分野「複合新領域」において、分科「ゲノム科学」の細目を「ゲノム生物学、ゲノム医科学、システムゲノム科学、応用ゲノム科学」に変更。
▽「日本学術振興会科学研究費補助金事業電子申請システム」へのアクセスに「府省共通研究開発管理システム」(e―Rad)を活用する。
▽「若手研究(S・A・B)」について、「研究計画最終年度前年度応募」を導入。
▽「若手研究(S・A・B)」を通じて、受給回数を二回までとする制限を導入。
▽「若手研究(スタートアップ)」の名称と応募資格者を変更予定(詳細は平成22年2月通知予定の公募要領で確認)など。