平成21年9月 第2372号(9月2日)
■上田教授(同志社女子大)がワークショップ
学びのテクノロジーとデザイン
NTTインターコミュニケーションセンター
テクノロジーが人の学習をどこまで深められるか―NTTインターコミュニケーションセンターは、8月23日、東京・初台の同センター施設において、上田信行同志社女子大学教授を進行役に、ワークショップ+シンポジウム「学びのテクノロジーとデザイン―リアルタイム・ドキュメンテーション」を開催した。
ICTにより経験を豊かにする試みがなされてきている。このたびのリアルタイム・ドキュメンテーションもその一つで、ワークショップの様子を写真やビデオで記録し、即座に参加者に見せることで、自分の行動の振り返りを支援し、学びの経験を深める。
同施設では「プレイフル・ラーニング」(上田教授によると、「楽しいことの中に、学びはあふれている」)をテーマに、八月末まで展示会を開催。ワークショップでは、展示会で感じたことを、チームごとに真っ白な六面体の「キューブ」に雑誌の切抜きや写真などを張りつけながら、展示会の振り返りを行う。同時に、リアルタイム・ドキュメンテーションにより、別な角度からの振り返りを行い、展示会の経験を深く理解し、「考える」ということについて考える「メタ認知」の視点を得る。
午後のシンポジウムでは、曽和具之神戸芸術工科大学准教授、中原 淳東京大学准教授、原田 泰千葉工業大学准教授をパネリストにむかえ、午前中の経験が共有された。また、リアルタイム・ドキュメンテーションの技術的解説などがあり、最後に中原准教授が「このワークショップでは、三つの振り返りがあるようだ。一つが個人の振り返り。二つが参加者全員での振り返り。三つがワークショップに参加していない第三者との振り返り。特に三つめは内輪になりがちになるのを防ぎ、参加者の体験を広げる意味でも有意義」とコメントした。
上田教授らは、「場を活性化する」、「経験を残す」メディアとして、ドキュメンテーション・デザインの研究を進めている。