平成21年9月 第2372号(9月2日)
■教育改革の行方
教育情報学会が第25回年会
日本教育情報学会(会長:後藤忠彦岐阜女子大学長)は、第25回年会を、去る8月22日・23日の両日、京都市の立命館大学で開催した。同年会は、立命館大学、全国私立大学FD連携フォーラムとの共催で開かれた。ミニシンポジウム、課題研究、一般研究など130件あまりもの発表、報告と、300名ほどの参加者が集い、連日熱心な協議が行われた。
「21世紀の教育改革の行方を探る」をテーマに、初等・中等教育から高等教育における課題に取り組み、初日は基調講演に結城章夫山形大学長が登壇し、同題名での講演を行った。また、これからの大学の在り方として、両輪となって走り始めている「教育と研究の両立を目指すFD」について、パネル討論が行われた。以降、ミニシンポジウムでは高等教育、とりわけFDの課題に取り組む様子を、四会場でそれぞれ紹介した。課題研究では、初等・中等教育から高等教育までの注目される政策動向と実践教育の報告・発表が行われた。
結城学長の基調講演では、初等・中等教育の世界的評価は変わっていないが、知育・徳育・体育とわけて教育をみると、まだ各所に課題があると述べた。改正教育基本法を俯瞰しながら、大学、私立学校、家庭教育等新たに盛り込まれた規定を解説した。実力社会に移行した日本の人材育成において、「人間力」を養うことがこれからの教育、と教育改革に向けての指針を示した。
パネル討論では、結城学長をはじめ、川口清史立命館大学長、後藤忠彦岐阜女子大学長・日本教育情報学会長らがパネリストとして登壇し、会場の意見も交えて、FDにより教育と研究のバランスをどう図るかを考察した。各氏は自校での取組を紹介し、山形大学での教養教育のFDを活発にしていく様を、立命館大学が産学連携による私学ならではの研究力向上へのFD模索を、岐阜女子大学での教員評価の取組の実際などをそれぞれ述べた上で、互いに意見を交わした。